股関節置換術の種類と特徴
20世紀中頃に開発された股関節置換術は、当初10年程度の使用を想定したものでした。しかし、平均寿命の延びや若年での手術増加に伴い、長期間耐える新しいタイプの人工関節が求められるようになりました。
基本構造の概要
股関節置換術は、股関節の構造を模倣した3部構成です。大腿骨の球状部分は人工球とステム(大腿骨内部に埋め込む)に置換され、骨盤側にはカップが装着されます。手術後は球がカップ内で滑らかに回転し、自然な股関節の動きを再現します。
金属・プラスチック型(金属/プラスチック)
最も一般的なのは、球とステムを金属、カップをポリエチレン(プラスチック)で作ったタイプです。コストが比較的低く、長年使用されてきたため安全性や副作用がよく分かっています。ただし、プラスチックカップは10〜15年で摩耗しやすく、長寿命化が求められる現代では再手術のリスクがあります。
金属オンメタル型
球・ステム・カップすべてをコバルトクロームなどの金属で作るタイプです。理論上は「永遠に」近い耐久性が期待できますが、金属同士の摩擦で金属イオンが体内に放出される懸念があります。価格は金属/プラスチック型より高めです。
セラミック型
金属を全く使用せず、球・ステム・カップをセラミックで構成します。摩耗は極めて少なく、金属アレルギーのある患者に適していますが、破損リスクや使用時に「キシキシ」と音がすることがあります。費用は高額です。
その他の選択肢
従来の金属・プラスチック型は、耐摩耗性が向上したクロスリンクポリエチレンを使用した最新モデルが登場しています。また、金属カップを大腿骨頭に被覆する「股関節リサーフェシング」や、セラミック・金属のハイブリッド(セラミックオンメタル、セラミックオンプラスチック)も研究・実用化が進んでいます。
