感覚統合障害の課題と影響

感覚統合障害(Sensory Integration Dysfunction, SID)は、1963年にA. Jean Ayres博士が提唱した概念で、脳が感覚情報を適切に処理できないことに起因し、運動・情動・行動・注意に影響を及ぼす神経学的障害です。主に感覚調整障害、感覚に基づく運動障害、感覚識別障害の3つのパターンに分類されます。

診断の課題

  • 感覚刺激を求めるタイプはADHDの行動と併存することがあります。

    感覚刺激を過度に求める(感覚追求)サブタイプは、感覚調整障害の一種です。常に刺激が必要なため、静かな環境では落ち着きがなく、衝動的・過活動的になることがあります。この行動はADHDと誤認されやすいです。

自尊心の低下

  • 失調性協調運動障害は言語・発話障害と併存することがあります。

    失調性協調運動障害(ディスプラクシア)は、感覚に基づく運動障害のサブタイプです。微細運動や口腔運動に困難があり、着替えや食事などの日常動作が遅れがちです。その結果、見た目が乱れやすく、座りがちな生活になることで肥満リスクも高まります。失敗感や能力への不満から自尊心が低下しやすいです。

社会的課題

  • 感覚統合障害の子どもは孤立しがちです。

    感覚統合障害は、学校で学習障害と診断される子どもの最大70%に見られますが、学習障害だけでなく自閉症、脳損傷、早産などさまざまな要因でも起こります。音を出す、身体的な困難などの症状から、学習障害や他の発達障害とラベル付けされることが多く、社会的に孤立しやすいです。

幼少期における感覚統合障害

  • 感覚統合障害が疑われる場合は、専門の小児科医を受診してください。

    幼少期の症状は見分けにくいですが、早期に適切に評価すれば大きな改善が期待できます。親が症状に気付かないことが多く、協調運動の問題、言語・発話の遅れ、微細運動の遅れ、自己概念の低さ、光・音・触覚・動きへの過敏さなどに注意が必要です。

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