心理学における学習と記憶の基本原則

作業記憶(ワーキングメモリ)

作業記憶は、情報を一時的に保持し、すぐに利用するためのシステムです。たとえば、暗算や暗闇での移動などが該当します。前頭前皮質が主に関与し、音声情報を反復する「音韻ループ」や、視覚情報を保持する「視空間スケッチパッド」が機能します。

長期記憶

長期記憶は膨大な情報を保持でき、数年未アクセスでも容易に呼び起こせます。短期記憶が永続的に失われるのに対し、長期記憶は十分な手がかりがあれば再構築可能です。

エピソード記憶と手続き記憶

エピソード記憶は結婚式や旅行など特定の出来事に関する記憶で、海馬が重要な役割を果たします。一方、手続き記憶は楽器演奏や車の始動といった技能に関する記憶です。

暗黙記憶と顕在記憶

暗黙記憶は意識的に思い出さなくても行動に影響を与える記憶で、バックグラウンドの音楽が頭に残る現象などが例です。顕在記憶は意図的に呼び起こす記憶で、食事内容や最近観た映画を語るときに使われます。

記憶の固定(コンソリデーション)

作業記憶から長期記憶への転換は「記憶固定」と呼ばれ、最も支持されているメカニズムは長期増強(LTP)です。強い刺激がニューロンに与えられると感受性が高まり、数日から数週間にわたって情報が保持されます。

エングラム(記憶痕跡)

記憶が脳内でどのように物理的に表現されるかを示す概念がエングラムです。海馬、扁桃体、小脳など複数の領域が関与しますが、特定領域が損傷しても記憶は完全に失われません。例として、リチャード・トンプソンらは小脳の外側内側核(LIP)を操作し、単純な連合学習がこの部位に依存することを示しました。

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