パーキンソン病に対する幹細胞治療

パーキンソン病は運動系障害に分類される神経変性疾患で、ドーパミンを産生する脳細胞が機能不全または損傷し、運動制御に関わる神経の信号が乱れます。現在、幹細胞を用いて失われたドーパミン産生細胞を再生する治療法が開発中です。

幹細胞とは

米国国立衛生研究所によると、幹細胞は未分化の細胞で、様々な細胞に分化する可能性を持ちます。主に成人幹細胞、組織特異的幹細胞、胚性幹細胞の3種類があり、特に胚性幹細胞は脳細胞、筋肉細胞、赤血球など、体内のあらゆる細胞に分化できる高い多能性を持ちます。

応用例

幹細胞は組織の変性を伴う多くの疾患に応用が検討されています。肝疾患、筋ジストロフィー、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、ハンチントン病、関節リウマチ、変形性関節症、1型糖尿病、心疾患、やけど、脳卒中、脊髄損傷、そしてパーキンソン病などが挙げられます。

治療手順

ミネソタ大学幹細胞研究所によれば、まず実験室で幹細胞をドーパミン産生脳細胞へと分化させます。分化した細胞を患者の脳に移植し、症状改善を目指します。現在はヒト臨床試験の初期段階ですが、初期結果は有望です。

最初のヒト臨床試験

LifeNewsの報道によると、2004年にUCLAの研究者が成人神経幹細胞をパーキンソン患者の脳に移植し、成功を収めました。2009年に5年間の追跡結果が公表され、手術後5年以内の運動スコアが36か月間で80%以上改善したと報告されています。

追加研究

2010年、イェール大学医学部の研究チームはヒト子宮内膜幹細胞をパーキンソン様の運動ニューロン障害を持つマウスの脳に移植しました。これらの細胞はマウス体内でドーパミン産生細胞へと変換され、成功が確認されました。子宮内膜幹細胞は胚性幹細胞に比べて入手が容易である点も注目されています。

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