迷走神経障害とは何か?
迷走神経とは
ラテン語で「さまよう」という意味を持つ迷走神経(vagus nerve)は、頭部の後方から始まり、体全体へと広がる最長の脳神経です。頭蓋骨から食道、心臓、肺、腸に至るまで、さまざまな臓器とつながっています。
迷走神経の働き
迷走神経は感覚情報と自律神経信号を脳と体の各部位(耳や喉から心臓、肺、結腸まで)へ伝達します。心拍数の調整、発声、消化といった基本的な生理機能はすべてこの神経によって制御されています。
迷走神経障害(神経障害)とは
迷走神経が損傷すると、脳と体の間で誤った、あるいは弱い信号が送られるようになります。その結果、発声障害、持続的なげっぷや咳、吐き気、消化不良、脈拍の乱れなど、多様な症状が現れます。
迷走神経障害の原因
原因はさまざまです。上気道感染や外傷が直接的な要因となることがあります。また、2型糖尿病による高血糖は末梢神経だけでなく迷走神経にもダメージを与え、免疫機能にも影響を及ぼすと考えられています。さらに、長期的なアルコール摂取も障害のリスクを高め、スペインの研究ではアルコール依存者に呼吸困難や運動障害といった症状が多く見られました。
迷走神経障害は治りますか
原因を除去すれば多くの場合で機能回復が期待できます。血糖コントロールができている糖尿病患者は神経機能が改善し、臓器の働きも正常化します。同様に、飲酒をやめるか減らすことでアルコール性の障害は回復します。上気道感染後の回復も同様です。
ただし、慢性的な咳や長期間続く刺激により神経が過敏になった場合、感受性が残ることがあります。このようなケースでは、医師が神経の過敏性を抑える薬を処方することがあります。
