末梢神経障害の鑑別診断

末梢神経障害は、脊髄や脳から体の各部位へ信号を伝える末梢神経が損傷することで生じる疾患です。灼熱感や刺すような感覚、しびれ、筋力低下などの症状が現れ、他の疾患と誤診されやすい特徴があります。本稿では、鑑別診断のポイントと主要な検査について解説します。

末梢神経障害の概要

メイヨークリニックによると、最も一般的な症状は手足のしびれと痛みです。患者は痛みを「焼けるよう」「チクチクする」と表現し、しびれは手袋や靴下をはいた感覚に例えることが多いです。感覚神経は痛みや触覚を伝え、自律神経は消化や心拍、膀胱機能などの自動的な働きを制御し、運動神経は筋肉の動きを司ります。

主な症状

  • 触覚過敏や触覚低下
  • 筋力低下や麻痺
  • 鋭い電撃様の痛み
  • 膀胱機能障害
  • 協調運動障害
  • 手足から上肢・下肢へと広がる徐々に進行するしびれ

急性症状を呈する可能性のある疾患

毒素(タリウム、 有機リン系農薬、狂犬病ワクチン、腸チフスワクチンなど)への曝露、ウイルス性肝炎、ギラン・バレー症候群、ポルフィリン症、ジフテリア、感染性単核球症などが急性の運動・感覚症状を引き起こすことがあります。また、アルコール性栄養障害、動脈硬化、糖尿病、炭素一酸化炭素中毒、ヒ素中毒、工業用溶剤、長期使用の神経筋遮断薬なども考慮すべきです。

慢性症状を呈する可能性のある疾患

慢性的な感覚・運動障害の原因としては、ライム病、白血病、アルコール依存症、リンパ腫、結合組織疾患、ハンセン病、糖尿病、アミロイドーシス、癌、遺伝性疾患(チャルコー・マリー・トゥース病、自己律神経障害など)が挙げられます。

診断の流れ

診断は、詳細な問診と神経学的・身体的検査から始まります。感覚の有無、筋力の強さ、協調性を評価し、血液検査でビタミンB12、甲状腺機能、尿検査、糖尿病や肝機能の異常を確認します。神経伝導検査は、神経が電気信号を伝える速度を測定し、末梢神経障害の有無を判断する標準的な検査です。

追加検査

必要に応じて、CTやMRIで構造的異常を確認し、筋電図(EMG)や神経伝導速度検査(NCV)で機能的評価を行います。神経や皮膚の生検は、損傷の範囲やタイプを詳細に把握するのに有用です。

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