前庭障害に対するリハビリテーションエクササイズ

前庭系は内耳に位置し、重力に対する姿勢やバランスを保つための信号を脳へ送ります。また、眼球運動を制御し映像を安定させる役割も担っています。前庭機能が低下すると、めまい(回転性めまいや不安定感)や吐き気が生じます。

VRT(前庭リハビリテーション)とは?

VRTは前庭リハビリテーションの略称で、専門の理学療法士が患者のバランスや動作、代償パターンを評価し、個別のプログラムを作成します。頭・眼・体を使ったエクササイズを治療中に行い、同じメニューを自宅でも継続します。目的は筋肉を緩め、眼球運動を鍛え、めまいを誘発する頭部動作に慣れさせることで、脳が前庭からの信号を正しく処理できるように再教育し、症状への感受性を低下させることです。

Cawthorne‑Cooksey エクササイズ

このエクササイズは徐々に速度を上げていく形式です。初期は症状が悪化することがありますが、継続することで前庭機能が回復し、めまいは減少します。多くの患者は各エクササイズを最大20回行うよう指示されます。

眼球エクササイズ

眼球エクササイズは頭の動きとは独立して眼球の動きを訓練します。最初はゆっくりと行い、徐々に速い動きに移行します。例として、上下に目を動かす、左右に視線を移す、腕の長さで親指に焦点を合わせ、親指を近づけたり遠ざけたりする練習があります。

頭部エクササイズ

頭部エクササイズはめまいを誘発し、脳に代償を学習させます。目を開けたまま前後に首を曲げ、必要に応じて目を閉じても行います。その後、肩を右・左に回し、最後に椅子に座った状態で前屈し床の物を拾うような動作を繰り返します。

立位エクササイズ

座位から立ち上がり、再び座る動作を繰り返します。目を開けた状態と閉じた状態でそれぞれ数回行い、眼手協調として小さなボールを目の高さで左右の手に投げ渡す練習も行います。バランスが向上したら、傾斜や階段の上り下りも取り入れましょう。

移動練習

明るい場所と暗闇での移動を練習します。安全な通路を選び、目を開けて部屋を横切り、次に目を閉じて同じ動作を行います。片足で立ち、目を開けた状態と閉じた状態でバランスを確認し、足先からかかとへと続く歩行も目を開け・閉じて交互に練習します。

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