窒息した被害者への救助手順
窒息は異物が喉に詰まり、気道が塞がれることで呼吸ができなくなる状態です。呼吸困難や会話困難、顔色の変化、手で喉を示すなどのサインが見られます。迅速に異物を除去しないと意識不明や死亡に至ります。本稿では、年齢や体格、意識状態に応じた救助手順を解説します。
窒息の症状とサイン
呼吸が困難、会話ができない、激しい不安やパニック、喉を掴む動作、咳やしゃがれ声、顔色が赤から青へ変化(チアノーゼ)などが典型的です。異物が除去されないと意識を失い、場合によっては痙攣を伴うこともあります。
救助手順(年齢・意識状態別)
救助法の選択は、被害者の年齢、体格、意識の有無により決定します。主にハイムリック法(腹部圧迫)、胸部圧迫、背部叩打法が用いられます。
ハイムリック法(意識がある成人・1歳以上の子ども):被害者の背後に立ち、腕を腰に回します。拳を作り、親指側をへその上方(腹部中心)に当て、もう一方の手で握ります。肘を外側に向け、上向きに素早く力強く数回圧迫します。
意識がない場合のハイムリック法:被害者を仰向けに寝かせ、足の間に立ちます。片手の掌底を胸骨下部(へその下)に置き、もう片手で覆い、指先を被害者の頭方向に向けます。上向きに素早く腹部を圧迫します。
妊婦・肥満者(意識がある場合):両腕を被害者の腋下に回し、拳を胸骨の中央(乳頭線間)に当て、もう手で握ります。肘を直角に保ち、胸部へ上向きに力強く数回圧迫します。
妊婦・肥満者(意識がない場合):被害者を仰向けにし、側方から胸骨下部に掌底を当て、もう手で覆い、腕を伸ばしたまま肘を固定し、胸部へ下向きに素早く圧迫します。
1歳未満の乳児:背部叩打法:前腕を太ももに置き、乳児を顔を下にして前腕に乗せます。頭を体より低くし、親指と人差し指で顎を軽く支えます。もう一方の手の掌で肩甲骨の間を数回叩きます。
1歳未満の乳児:胸部圧迫法:前腕を太ももに置き、乳児を顔を上にして前腕に乗せ、頭と首をしっかり支えます。胸骨下部(乳頭のすぐ下)に中指と薬指で約1インチ(2.5cm)押し込み、数回圧迫します。
乳児が意識があり咳き込みや泣き声で呼吸できている場合は、背部叩打法や胸部圧迫を行わず、自然な咳を促します。呼吸困難や青ざめが見られたら、上記の救助手順を実施してください。
