粘液(痰)を伴う咳の主な原因
乾いた咳と、痰(粘液)を伴う咳には大きく分けて2種類があります。痰を出す咳は、粘液と呼ばれる滑りやすい液体が気道から排出されます。粘液はムチン、水分、細胞、無機塩類などで構成され、食べ物やチョコレート、色付き飲料、喫煙、感染、出血、空気汚染などの影響で色がつくことがあります。
アレルギー性肺胞真菌症(ABPA)
真菌の一種であるアスペルギルスに対するアレルギー反応です。喘息や肺疾患を引き起こし、茶色が混ざった粘液塊や痰が出ることがあります。アスペルギルスは屋外の腐葉土、堆肥、植物、木材、穀物、室内の空調ダクト、カーペット、断熱材、飲料水、観葉植物、香辛料などに広く存在します。
嚢胞性線維症(Cystic Fibrosis)
遺伝子異常により粘液産生腺が過剰に働き、厚く粘り気のある痰が大量に生成されます。主に白人に多く見られ、気道が粘液で詰まりやすく、慢性的な咳を伴います。
院内肺炎(Nosocomial Pneumonia)
病院内で感染した肺炎で、後期になると厚い黄緑色や錆色の痰を伴う湿性咳が現れます。
肺炎(Pneumonia)
細菌、ウイルス、真菌、酵母、外傷などさまざまな原因で肺が炎症を起こす状態です。炎症により黄緑色や錆色の痰が出ることが多く、季節を問わず発症します。
AIDS関連肺感染症
免疫低下に伴い起こる肺感染症です。初期は乾いた咳ですが、進行すると黄緑色の厚い痰が出ます。代表的な疾患は肺胞マクロファージ症候群(Pneumocystis pneumonia)、結核、非結核性抗酸菌(Mycobacterium avium complex)、肺腫瘍などです。
その他の主な原因
- 急性気管支炎:ウイルスや細菌感染で粘液が増加し、数日から数週間続く痰咳。
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD):喫煙が主因で、黄や緑の痰が頻繁に出ます。
- 副鼻腔炎:鼻汁が喉へ流れ込み、痰として感じられることがあります。
痰の色や量、咳の持続時間に変化がある場合は、早めに医療機関で診察を受けることが重要です。
