肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)の概要と対策
Streptococcus pneumoniae(肺炎球菌)は、世界中で広く感染が見られ、肺炎球菌や肺炎連鎖球菌とも呼ばれます。子どもから大人まで上気道に侵入し、肺炎だけでなく髄膜炎、鼻副鼻腔炎、耳炎、骨髄炎、関節炎など多様な感染症を引き起こすことがあります。
事実
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肺炎球菌は健康な人の鼻腔後部に常在し得ます。この状態は「保菌」と呼ばれ、特に幼児に多く見られますが、通常は症状を伴いません。
咳やくしゃみによって菌が飛散し、鼻咽頭を越えて耳や肺、鼻副鼻腔へ広がると、耳炎や肺炎、鼻炎を引き起こします。また血流や脳脊髄液に侵入すると侵襲性肺炎球菌症となり、重篤化や死亡に至ることがあります。
薬剤耐性肺炎球菌
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薬剤耐性は細菌全般の大きな課題です。肺炎球菌は多数の抗生物質に対して耐性を獲得しており、特に1960年代に報告されたペニシリン耐性株は世界的に拡散しました。多くのペニシリン耐性株はエリスロマイシン、クロラムフェニコール、トリメトプリム‑サルファメトキサゾール、テトラサイクリンなどにも耐性を示し、いわゆる「多剤耐性(MDR)」と呼ばれます。
罹患状況
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肺炎球菌は、世界で最も頻繁に報告される細菌性髄膜炎、耳炎、菌血症、地域獲得性肺炎の原因菌です。耐性菌は治療期間の延長や入院日数の増加、より高価な薬剤の使用を必要とします。米国疾病予防管理センター(CDC)によると、米国内で毎年約700件の髄膜炎と17,000件の菌血症が報告され、2歳未満の子どもは年間少なくとも1回は肺炎球菌性耳炎を経験します。特に幼児・高齢者、基礎疾患を有する人で重症化リスクが高まります。
予防
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ワクチン接種は肺炎球菌感染予防の最も効果的な手段です。CDCは成人へのワクチン供給不足や接種率低下が課題と指摘しています。小児用・成人用の複数のワクチンが利用可能で、個々のリスクに応じた接種が推奨されます。医師と相談し、適切なワクチン接種を検討してください。
また、手洗いの徹底、感染者との密接接触回避、咳・くしゃみ時のマスクやティッシュでの口覆い、そしてその後の手洗いといった基本的な衛生対策も、菌の拡散防止に有効です。
治療上の留意点
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抗菌薬耐性肺炎球菌に感染した場合、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ゲミフロキサシンなどのフルオロキノロン系抗生物質が有効とされています。
症状は感染部位により異なります。医師は培養検査や血液検査、画像診断などで肺炎球菌感染の有無を確認し、適切な治療方針を決定します。
