生理食塩水溶液の組成と用途
生理食塩水は、病院や家庭で広く使用される液体です。創傷やボディピアスの洗浄、鼻炎や歯痛のうがい、救急時の点滴による脱水防止など、さまざまな場面で活躍します。塩分に含まれる電解質が体内の水分吸収を助けますが、消毒作用はなく、過剰に摂取すると健康リスクがある点に注意が必要です。
ノーマル食塩水(0.9%)
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ノーマル食塩水は、22℃の滅菌水1リットルに、非ヨウ化食塩ナトリウム9g(0.9%)を溶解したものです。1831年のコレラ流行時に脱水患者への塩分注射が始まり、長年の研究で最適濃度が確立されました。グルコースやデキストロースを添加すれば、患者への栄養補給液としても利用できます。
等張・高張・低張溶液
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等張溶液は体液と同等の塩分濃度(0.9%)で、体内への負担が少ないのが特徴です。高張溶液は1.8%など、塩分濃度が高く、手術中の腫れ抑制に使われますが、医学的評価は分かれています。低張溶液は0.45%など濃度が低く、炭酸水素ナトリウムを加えるとやけどショックの治療に有効です。
リン酸緩衝食塩水(PBS)
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PBSは、食塩水にナトリウムリン酸、カリウムリン酸、カリウム塩化物を加えた等張で無毒な溶液です。pH を一定に保つ緩衝作用があるため、生物学的実験で培養液や試料容器の洗浄に広く利用されています。
乳酸リンゲル液
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乳酸ナトリウム(炭酸水素ナトリウムの前駆体)を食塩水に添加したものが乳酸リンゲル液です。急激な体液喪失時の補液として、皮下投与で腎不全の小動物(例:犬)の治療に用いられます。19世紀にイギリスの生理学者シドニー・リンガーが開発し、後に米国小児科医アレクシス・ハートマンが改良しました。
