鉄過剰がもたらす主な疾患
鉄過剰は体内に鉄が過剰に蓄積する状態で、遺伝性疾患、過剰なサプリメント摂取、大量の輸血や鉄注射などが原因です。主要な臓器に鉄が蓄積すると、肝臓、心臓、甲状腺などに重大な疾患を引き起こすリスクが高まります。治療法としては、血液除去(瀉血)や薬物による鉄除去療法が用いられます。
肝疾患
鉄過剰が最も頻繁に引き起こすのは肝疾患です。肝硬変、肝細胞癌、肝不全などが代表的で、正常な肝組織が機能しない瘢痕組織に置き換わります。肝硬変や肝癌はさらに肝不全へと進行し、生命に関わる状態となります。治療には放射線療法、外科手術、肝移植などが選択肢となります。
心不全(制限性心筋症)
鉄の蓄積は心臓の下部室壁を硬くし、拡張が制限される「制限性心筋症」を引き起こします。結果として心臓のポンプ機能が低下し、最終的に心不全に至ります。治療は、制限性心筋症の原因である鉄過剰を除去することが中心です。
甲状腺機能亢進症
甲状腺が過剰にホルモンを産生すると、代謝が亢進し、心拍数増加、発汗過多、急激な体重減少、神経過敏などの症状が現れます。薬物治療で比較的容易に管理できますが、放置すると甲状腺クリーゼという危険な状態に進行することがあります。甲状腺クリーゼは緊急の医療介入が必要です。
鉄過剰の根本的な治療としては、定期的な瀉血や鉄キレート剤の投与が行われます。早期に適切な管理を行うことで、上記の合併症リスクを大幅に低減できます。
