条虫(サナダムシ)感染症の治療と予防

条虫(サナダムシ)感染は多くの場合症状が軽く、食欲不振や腸閉塞などの症状が他の疾患と混同されがちです。しかし、神経系に侵入すると生命に関わる危険があります。本稿では診断から治療、予防までのポイントをまとめます。

診断

腸内感染は便検査で虫体や節片が目視できることがあります。医師は便から卵や隠れた節片を検出し、必要に応じて顕微鏡で確認します。脳や脊髄への神経系感染が疑われる場合は、CTやMRIで画像診断を行います。

腸内感染の治療

腸内感染は比較的簡単に治療できます。経口投与のプラジカンテル(praziquantel)や、必要に応じてアルベンドゾール、抗菌薬が用いられ、成虫を駆除します。ただし卵は薬効が及ばないため、再感染防止のために衛生管理が重要です。治療後約3か月後に卵が検出されない便検査で治癒を確認します。

嚢虫症(システィセロシス)

侵入した条虫は目・脊髄・脳に嚢胞を形成することがあります。部位に応じた治療が必要で、主に抗炎症薬で炎症を抑え、アルベンドゾールで嚢胞を縮小させます。脳内感染では嚢胞が炎症を起こすため慎重に薬剤を使用し、痙攣が出た場合は抗てんかん薬を併用します。

外科的処置

嚢胞が臓器機能を脅かす場合や薬物療法だけでは除去できない場合は手術が必要です。肝臓、眼、肺の嚢胞は外科的に摘出し、脳内感染では液体貯留を排除するためにシャント手術が行われることがあります。

予防

最も効果的な治療は感染を防ぐことです。生肉(特に豚肉、牛肉、淡水魚)は十分に加熱、冷凍、または酢漬け・塩漬けして寄生虫を死滅させます。燻製や乾燥だけでは嚢胞は死滅しません。食事前の手洗い・石鹸使用など、衛生管理も重要です。

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