潜伏結核とは何ですか?
結核は肺から始まる細菌感染症です。感染者が咳やくしゃみで放出するエアロゾル中の結核菌が空気中に拡散し、他人に感染します。感染した場合、免疫系が菌を除去すれば発症しませんが、肺内に菌が残り休眠状態になることがあります。これが「潜伏結核(休眠TB)」です。
原因
- 結核はMycobacterium tuberculosisという細菌によって起こります。感染力はありますが、短時間の接触だけで感染することはまれで、長期間の密接な接触が主なリスクです。曝露した10人に1人程度が結核感染を起こします。
病態
- 結核菌は肺の細気管支や肺胞を破壊し、胸痛・咳・血痰などの症状を引き起こします。進行すると他臓器へ転移し、命に関わることもあります。免疫力が高い人は自然に菌を抑制でき、抗生物質で治療が可能です。
潜伏状態
- 感染後に免疫が菌を完全に排除できず、菌が休眠状態になることがあります。潜伏結核の人はツベルクリン皮内反応(皮膚テスト)で陽性になるものの、症状は現れず、他人に感染させることもありません。
活動性結核
- 潜伏結核は免疫低下により数年後に再活性化し、活動性結核となります。加齢、薬物・アルコール依存、栄養不良、化学療法、ステロイドやTNF阻害薬などが主なトリガーです。
検査と治療
- ツベルクリン皮内反応(Mantouxテスト)で皮下に少量の結核菌抽出物を注射し、数日後に硬結や腫脹の有無を確認します。陽性の場合は胸部X線で感染の有無を確かめます。偽陽性は他の非結核性抗酸菌感染で起こり、偽陰性は免疫不全者に多く見られます。潜伏・活動性結核には複数の抗結核薬が使用されますが、薬剤耐性菌の増加により治療が困難になるケースもあります。
