腸チフスとは何か・原因と対策
定義
腸チフスは、サルモネラ・チフス菌(Salmonella typhi)またはサルモネラ・パラチフス菌(Salmonella paratyphi)のいずれかが原因で起こる感染症です。菌が体内に侵入すると血流に乗って肝臓や脾臓へ運ばれ、そこで増殖した後再び血液中に戻り、他の臓器へと拡散します。
多くの患者は急性の腸チフス熱として症状が出ますが、軽症のまま長期間菌を保有し続けるキャリアもいます。
原因
腸チフス菌が腸内に侵入すると、糞便に大量の菌が排泄されます。この菌は数週間は環境中で生存できるため、汚染された土壌や水、食物を介して他者に感染します。衛生状態が悪く、清潔な飲料水が確保できない地域では特に感染リスクが高まります。
症状
感染後、症状が現れるまでに2週間ほど潜伏期間があります。潜伏期が過ぎると、全身の筋肉痛、胸部の圧迫感、激しい頭痛、下痢、腹部の痛みや痙攣、極度の倦怠感、そして最高で摂氏40℃(104°F)に達する高熱が出ます。
治療
抗生物質が主な治療法です。ただし、地域によっては耐性菌が増えているため、感染が疑われる場所に応じて適切な薬剤を選択します。症状が出ないキャリアの場合は、長期間にわたる抗生物質投与や、胆嚢に大量に蓄積した菌を除去するための胆嚢摘出手術が行われることがあります。
発生状況
先進国でも腸チフスは報告されていますが、現在の大多数の流行はアフリカ、アジア、ラテンアメリカの開発途上国で起きています。米国・日本・オーストラリア・カナダで確認されたケースのほとんどは、旅行先での感染が原因です。
