看護現場における薬物乱用への対処法
はじめに
1984年、米国看護協会は看護業界における薬物乱用の問題を公に認めました。メイヨークリニックによると、米国で12歳以上の人々のうち約1950万人が違法薬物を使用しています。統計は様々ですが、医療従事者の約10%が薬物乱用に関わっていると推定されています。看護師の薬物乱用は患者への危害、雇用主の信用失墜、そして看護師自身の健康被害を引き起こす可能性があります。
薬物乱用防止の5つのステップ
1. 早期発見の促進
看護師を雇用する医療機関は、薬物乱用を早期に検知できる体制を整えることが重要です。月例の委員会を設け、教育プログラムの実施、従業員の異常行動や症状の把握、必要に応じた介入手順の策定を行います。
2. 薬剤管理の徹底
麻薬類の保管・投与・在庫管理を厳格に行う手順を作成し、差異が生じた場合は直ちに調査します。薬剤部門の管理者は、部門・シフト・個人別に投与状況を定期的にモニタリングし、疑わしいパターンを検出します。
3. 支援グループの提供
高ストレスや不安・うつなどの精神的問題、金銭的困窮、トラウマを抱える看護師は薬物乱用のリスクが高まります。カウンセリングやライフスキル研修、運動プログラムを提供し、ピアサポートグループで早期に兆候を共有できる環境を整えます。
4. 法的権利の周知
1990年の障害者法(ADA)は、障害を理由とした職場での差別を禁じています。薬物依存が治療後に使用が止まっている場合、障害として認められ、合理的配慮のもとで雇用を継続できます。
5. 懲戒措置と代替プログラムの整備
薬物乱用者に対しては、治療プログラムと併せた懲戒措置や「代替懲戒」プログラムを導入します。研究では、代替プログラムが従来の法的処置に比べて回復速度が速く、患者安全も高まることが示されています。代替プログラムでは、薬物使用が疑われた看護師を速やかに職務から外し、適切な治療へ導きます。
