空気伝導聴力検査におけるマスキングの概要
ヒトは音を、耳の周囲の骨を通じた骨伝導と、空気中を伝わる音波が内耳へ到達し中耳の骨を振動させる空気伝導の二つの経路で聞き取ります。空気伝導を評価する聴力検査では、被験者の両耳にイヤホンを装着し音刺激を与えますが、片方の耳が音を感知できない場合でも、反対側の耳が音を拾ってしまう「交差聴覚」の問題があります。この問題を防ぐために用いられるのが「マスキング」技術です。
手順
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音波は空気中を伝わり、外耳→耳道→鼓膜を経て内耳へ入ります。検査では、片方のイヤホンからテスト音を送出し、各耳の聴覚反応を測定します。交差聴覚が起きないよう、音が聞こえる側に雑音を同時に流すことで、正確な結果を得ます。
音圧レベル
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音の強さはデシベル(dB)で表されます。ささやきは約20 dB、ジェットエンジンは140〜180 dBです。空気伝導検査で使用するマスキング雑音は通常40 dB以上で提示し、健常側の耳が不良側の欠損を補わないようにします。
マスキングの方法
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マスキングは、テスト対象の耳に音刺激を与える一方で、反対側の耳に雑音(マスク音)を流す手法です。雑音により反対側の耳がテスト音を聞き取れなくなるため、被験者が音を聞いたかどうかが明確になります。片耳の聴力が優れている場合は必ずマスキングが必要です。両耳の聴力が同等であればマスキングは不要です。
注意点・問題点
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中等度から重度の難聴を持つ人では、マスキング雑音が大きすぎてテスト音が埋もれてしまうことがあります。中等度難聴は41〜55 dBの音を50%以上聞き取れない状態で、会話が困難になります。このようなケースでは、インサート型イヤホンを使用して雑音レベルを調整するか、骨導測定など別の検査法に切り替える必要があります。
