良性発作性頭位めまい症の治療法
良性発作性頭位めまい症(BPPV)は、頭部の位置変化に伴い、間欠的にめまいが生じる一般的な疾患です。重篤な疾患ではありませんが、日常生活に支障をきたすことがあります。
原因
内耳の耳石器官(オトリス器官)には、頭の動きを感知する微小な結晶が存在します。これらの結晶が耳石器官から離れ、半規管に流入すると、頭の位置情報が錯乱し、めまいが発生します。
高齢者(60歳以上)に多く見られ、頭部外傷や耳の手術も原因となります。原因が特定できない場合でも、治療は可能です。
カナルリポジショニング法
最も一般的な治療法は、カナルリポジショニング法(エプリー法など)です。頭部をゆっくりと一定のパターンで動かし、耳石を半規管から尿石嚢(ウトリクル)へ移動させます。耳石が尿石嚢に入ると症状は軽減し、めまいは通常消失します。
診療所で実施でき、1~2回の手技で改善することが多いです。手技後は頭部を肩より上に保ち、結晶が内耳液に吸収される時間を確保します。自宅での姿勢管理方法も医師が指導します。
手術
カナルリポジショニングが効果を示さない場合、手術が検討されます。内耳に骨製の小さなプラグ(半規管遮断術)を挿入し、結晶が半規管に影響を与えるのを防ぎます。成功率は約90%です。
術後の合併症として、約5%の患者に長期的な難聴が生じることがあります。
前庭リハビリテーション療法
脳と前庭系(内耳)間の情報伝達が乱れると、過剰な補償動作が生じ、筋肉痛や頭痛、倦怠感を伴うことがあります。例として、頭を動かさずに体全体で視線を合わせようとする動作や、めまいを抑えるために床を見ることなどがあります。
前庭リハビリテーションは、患者個々の状態に合わせたエクササイズや動作訓練を通じて、脳が正しく前庭情報を処理できるよう再教育します。カナルリポジショニングや手術と併用され、高い成功率を示します。自宅でも実施できるよう指導されます。
