色素性緑内障の治療法ガイド

色素性緑内障は、緑内障の中でも比較的稀なタイプです。高齢者に多い他の緑内障とは異なり、30代~50代の中年層や若年成人にも発症します。虹彩の裏側から色素が房水(眼の前部を満たす液体)に流れ込み、眼内の排水路に沈着して流れを妨げます。その結果、眼圧が上昇し緑内障が進行します。適切な治療と定期的な検査により、視力低下を防止・遅延させることが可能です。

治療目標

  • 眼圧を下げることが最優先です。具体的には、房水の流出を促進するか、または房水の産生を抑制します。
  • 色素性緑内障は完治が難しく、既に失われた視神経は回復しません。そのため、治療と定期的なフォローアップで視力低下を予防・遅延させることが目的です。

運動と色素性緑内障

  • 激しい運動は虹彩から色素がさらに剥がれやすくし、排水路の詰まりを悪化させる恐れがあります。運動を続けたい場合は、担当医に相談し、負荷が低い安全な運動方法を指導してもらいましょう。

薬物療法

  • 眼圧を下げる主な手段は点眼薬です。

    β遮断薬(ベタガン、ベタモール、ティモプティック、ベトピック、オプティプラノロールなど)は房水の産生を抑制します。副作用として呼吸困難、脱毛、血圧低下、勃起不全、倦怠感、記憶障害、うつ症状などが報告されています。喘息、気管支炎、肺気腫、糖尿病の既往がある方は使用に注意が必要です。

    プロスタグランジン類似薬(ラタノプロスト、ルミガン、トラバタンなど)は房水の流出を促進します。目の赤みや刺激感、虹彩の色素沈着、まぶたの色変化、視界のぼやけなどが起こることがあります。

    縮瞳薬(縮瞳剤)として、ピロカルやオキュサートなどの経口薬があります。瞳孔を縮め虹彩の動きを抑えることで、色素の放出を防ぎます。

手術・処置

  • レーザー治療が有効です。レーザー線維柱帯形成術(SLT/ALT)は閉塞した排水路を開き、房水の排出を改善します。
  • レーザー虹彩切開術(Iridotomy)は虹彩に小さな穴を開け、虹彩と水晶体の摩擦を減少させ、色素の剥がれを抑制します。

その他の提案

  • 水分は一度に大量に摂取せず、1日を通して少量ずつ摂るよう心掛けてください。短時間で約1リットル(1クォート)以上の液体を飲むと眼圧が上昇しやすくなります。
  • マサチューセッツ大学医学部の報告によれば、以下の自然サプリメントが眼の健康に役立つ可能性があります。
    • ルテイン:1日1〜6 mg
    • ゼアキサンチン:1日1〜10 mg
    これらは赤・黄・橙色の果実や野菜にも多く含まれます。
    • ビルベリーエキス:1日80 mgを1日3回
    サプリメント使用前には必ず担当医に相談してください。

目と視力障害 - 関連記事