CMV網膜炎の診断と治療
サイトメガロウイルス(CMV)はヘルペスウイルス科に属し、ほとんどの人が保有していますが、免疫が正常な場合は症状を示しません。免疫が低下した患者(HIV/AIDS、化学療法、骨髄移植・臓器移植など)ではウイルスが増殖し、網膜に炎症を起こすCMV網膜炎を発症します。
原因
- 免疫抑制状態(例:HIV/AIDS、化学療法、骨髄移植、臓器移植)によりCMVが再活性化し、眼に感染する。
症状
- 視野に浮遊物(暗い点や糸状のもの)が見える。
- 視力低下、ぼやけ、暗点、光の閃光。
- 通常は片眼から始まり、数週間で両眼に広がることがある。治療なしでは4〜6か月で失明に至ることもある。
診断
- 眼科医が散瞳後に眼底鏡検査を行い、網膜の損傷やCMV網膜炎の所見を確認する。
- 血液・尿検査でCMVの抗原やDNAを測定することもある。
- 必要に応じて組織生検でウイルス粒子の有無を確認する。
治療
- 病状の進行を抑えることが目的。
- 抗ウイルス薬(ガンシクロビル、フォスカバル、バルガンシクロビルなど)を経口、静脈内、または眼内注射で投与する。
- 長期にわたる投薬が一般的で、定期的な眼科フォローが必要。
留意点
- 治療でウイルスの増殖は抑えられるが、完全に除去できないため、進行は続く可能性がある。
- 抗ウイルス薬は腎機能障害や白血球減少などの副作用を伴うことがある。
- 網膜剥離や失明といった合併症が起こり得る。
- HIV/AIDSや他の免疫抑制状態の患者は、定期的な眼科検査で早期発見を心がける。
