嚢胞性線維症の概要と最新治療情報
嚢胞性線維症(Cystic Fibrosis、CF)は、肺と消化管に影響を及ぼす遺伝性疾患です。CFTR遺伝子の変異により、粘液、消化液、汗、唾液が異常に粘稠となり、肺や膵臓の機能を阻害します。遺伝子の特定により新しい治療薬が開発されていますが、根治療法はまだありません。
症状
- 繰り返す呼吸器感染症
- 成長遅延や体重減少
- 疲労感、食欲不振
- 皮膚が塩辛い(塩分が多く排出される)
- 出生後1〜2日間の便秘や腸閉塞
診断
- 2歳までに診断されることが多い
- 主な検査は「汗テスト」―汗中の塩分濃度が高いか測定
- 遺伝子検査でCFTR変異を確認し、診断を確定
治療
- 気道感染症に対する抗菌薬
- 高エネルギー・高塩分食とビタミン補給
- 膵酵素補充療法で消化吸収を改善
- CFTRモジュレーター(例:イバカフトール、ラカフチニブ)などの分子標的薬
- 症状が重篤な場合は肺移植が検討される
予後
- 現在の平均余命は約35歳(医療の進歩により伸びつつある)
- 主な合併症は慢性呼吸器感染、栄養不良、糖尿病、男性の不妊など
遺伝子検査・キャリア検査
- CFTR遺伝子変異が判明しているため、妊娠前にキャリア検査が可能
- パートナーと共に検査結果を確認し、出生前診断や体外受精(PGD)などの選択肢を医師と相談できる
早期診断と多職種チームによる継続的な管理が、患者さんの生活の質向上と寿命延長に重要です。
