子宮筋腫の治療オプション
子宮筋腫は、出産可能年齢の女性に最も多く見られる良性腫瘍で、子宮の筋層にできる腫瘤です。別名は筋腫、平滑筋腫、筋腫腫瘍などです。癌化することは極めて稀で、約75%の女性が一生のうちに何らかの筋腫を持つと推定されていますが、多くは無症状で経過観察のみで済みます。
経過観察(Watchful Waiting)
症状がなく生活に支障がない場合は、経過観察が最も自然な選択です。筋腫は良性で、通常は不妊の原因にならず、成長も非常に緩やかです。閉経に伴うホルモン低下により自然に縮小することが多いため、治療を急がず様子を見ることが推奨されます。
薬物療法
骨盤の圧迫感や過多月経などの症状がある場合は、薬物で症状緩和や筋腫の縮小が期待できます。主な薬剤は、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)作動薬、アンドロゲン、プロゲストン放出型子宮内避妊具(IUD)、経口避妊薬などです。NSAIDsは出血量の減少に有効ですが、筋腫自体のサイズを減らす効果はありません。
子宮全摘出術(子宮摘出)
子宮全摘出術は子宮を完全に除去する手術で、筋腫に対する唯一の根本的な治療法です。卵巣も同時に除去すれば即時閉経となりますが、妊娠は不可能になります。大きな筋腫や重篤な症状がある場合に選択されます。
筋腫摘出術(筋腫除去手術)
子宮は残しつつ筋腫だけを除去する手術です。将来的に妊娠を希望する方に適していますが、再発のリスクは残ります。主な手術法は、腹腔鏡下筋腫摘出術、開腹筋腫摘出術、経腟筋腫摘出術の3種類があります。
筋腫の縮小・破壊治療
手術以外で筋腫を縮小または破壊する方法として、以下が挙げられます。
- ミオリシス:レーザーや高周波電流で血管を閉塞し、筋腫を縮小・壊死させます。
- クライオミオリシス:液体窒素で筋腫を凍結し破壊します。
- 子宮内膜焼灼術:熱や電流、マイクロ波などで子宮内膜を除去し、異常出血を抑えます。
- 子宮動脈塞栓術(UAE):子宮へ血液を供給する動脈に微小粒子を注入し、筋腫への血流を遮断して縮小させます。
集束超音波手術(FUS)
MRIガイダンス下で高エネルギー超音波を照射し、子宮筋腫を非侵襲的に破壊する治療です。切開を伴わずに筋腫を縮小でき、回復も比較的早いのが特徴です。
