C型肝炎の概要と対策
肝臓の炎症である肝炎は、複数のウイルスが原因となります。その中でも特に重要なのがC型肝炎ウイルス(HCV)です。感染していても自覚症状が出ないため、知らずに感染している人が多数います。米国では2007年時点で毎年約1万7千人が新たに感染しています。
タイプと症状
HCV感染は、数週間で自然に回復する急性C型肝炎と、長期間にわたって肝臓にダメージを与える慢性C型肝炎に分かれます。急性期は数週間で終わることがありますが、慢性化すると肝がん、肝硬変、肝不全など重篤な肝疾患につながります。CDCによれば、感染者100人中約75~85人が慢性C型肝炎を発症するとされています。
急性・慢性ともに症状が現れにくいですが、出た場合は以下のような症状がみられます。
- 倦怠感、腹痛、関節痛、食欲不振
- 黄疸、嘔吐、灰色便、濃い尿、発熱、悪心
急性C型肝炎の症状は感染後2週間から6か月の間に出ることが多く、慢性の場合は数年後に初めて症状が出ることもあります。
診断
急性・慢性ともに、まずは血液検査(HCV抗体検査)でウイルスへの曝露の有無を確認します。陽性結果は感染歴を示すだけで、現在の感染状態は分かりません。感染が急性か慢性かを判断するには、HCV RNA検査などの追加検査が必要です。
原因
最も一般的な感染経路は、注射針や注射器などの共有です。その他のリスク要因としては、以下が挙げられます。
- 複数の性パートナーとの無防備な性行為
- 感染者と爪切り・カミソリなどの個人用品を共有
- 清潔でないボディピアスやタトゥーの器具
- 長期透析
1992年以前は臓器移植や輸血も感染源と考えられていましたが、現在は血液が徹底的に検査されているためリスクは極めて低く、母子感染もまれです。
治療・ワクチン
現在、C型肝炎に対するワクチンはありませんが、研究は進められています。治療薬としては、ペグインターフェロンとインターフェロンの併用が標準ですが、副作用が強く、血糖コントロール障害(糖尿病の発症)などのリスクがあります。
予防
感染を防ぐためには、ウイルスに曝露する可能性のある行為を避けることが重要です。医療従事者や血液を扱う仕事に従事する場合は、適切な安全対策を徹底しましょう。また、性行為の際もコンドームなどで予防してください。
警告
C型肝炎は放置すると重篤な肝疾患へ進行します。米国だけでも、慢性C型肝炎患者は約320万人に上り、毎年8千人から1万人が肝疾患で死亡しています。
