肺動脈性肺高血圧症(PAH)の影響と対策
症状
- 胸痛(狭心症)、息切れ、下肢のむくみ、倦怠感、失神、咳、頻脈、運動耐性低下など。
病歴・診断の重要性
PAHは初期症状が軽微で非特異的なため、診断が遅れがちです。息切れや咳、運動時の悪心などが他疾患と混同され、検査が遅れることがあります。早期の正確な診断と介入が予後改善に不可欠です。近年の新薬により、治療可能性が高まっています。
原因・分類
PAHは年齢に関係なく発症し、遺伝性やHIV感染、甲状腺疾患、先天性心疾患、コカイン・メタンフェタミン・ダイエット薬などの刺激物が原因となります。WHOは症状の重症度に基づき5つの分類を定めています。特に特発性肺動脈性肺高血圧症は原因不明ながら死亡率が高く、診断後の平均生存期間は2〜3年です。
治療法
血管拡張薬により肺動脈の圧力を下げ、血流を改善します。主な薬剤は以下の通りです。
- ホスホジエステラーゼ5阻害薬(バイアグラに類似)
- プロスタノイド製剤(炎症抑制)
- エンドセリン受容体拮抗薬(血管収縮を抑制)
- カルシウムチャネルブロッカー(心臓負荷軽減)
外科的治療としては肺移植、心肺移植、右心室圧迫を軽減する心房中隔開放術(心房中隔切除術)などがあります。
病態・影響
肺動脈の圧力上昇により血管が狭くなり、右心房・右心室に負荷がかかります。時間とともに右心系が肥大・機能不全に陥り、全身への酸素供給が低下します。その結果、日常的な動作すら困難になるほどの重篤な症状が現れます。
