HIVと眼の問題

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は免疫系を攻撃し、最終的に免疫機能が低下します。感染が進行すると、後天性免疫不全症候群(AIDS)へと移行し、さまざまな感染症にかかりやすくなります。血液、母乳、精液、膣分泌液、前立腺液などの体液を介して感染します。

HIVの影響

HIVは免疫細胞(CD4+ T細胞)を破壊し、体全体の防御力を低下させます。その結果、通常は健康な人が簡単に防げる感染症でも、重篤化しやすくなります。感染経路は皮膚の切り傷や粘膜からでも起こり得るため、感染者は眼を含む全身の健康管理が重要です。

HIV患者に多い眼の問題

免疫力が低下すると、眼にもさまざまな合併症が現れます。主な疾患は以下の通りです。

  • 綿状斑点(cotton wool spots):網膜上に小さな白い斑点が現れ、出血を伴うことがあります。
  • サイトメガロウイルス(CMV)網膜炎:視力低下、網膜の炎症、浮遊物、かすみ、暗点、光の閃光、出血などが起こります。治療薬で進行を遅らせられますが、完治は難しいです。
  • トキソプラズマ網膜脈絡炎:視覚障害や炎症を引き起こす寄生虫感染です。
  • 神経眼症状:視神経や眼球運動に異常が現れます。
  • 網膜剥離:CMV感染などが原因で網膜が眼底から離れ、手術が必要です。放置すると重度の視力喪失につながります。
  • カポジ肉腫(Kaposi's sarcoma):ヒトヘルペスウイルス8(HHV‑8)が原因の腫瘍で、眼の結膜やまぶたに赤紫色の斑点や薄い膜が現れます。皮膚や口腔、呼吸器、消化管にも発生します。

これらの眼疾患は早期発見と定期的な眼科検査が重要です。適切な治療を受けなければ、永続的な視力喪失につながる可能性があります。

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