甲状腺機能低下症と生食(ローフード)ダイエットのポイント

甲状腺機能低下症は比較的よく見られる疾患で、症状に気付かない人も多いです。甲状腺は代謝や成長、血中カルシウム、エネルギー産生、酸素供給、体脂肪や体重調整など、身体のあらゆる機能を司る重要な臓器です。ローフード(生食)ダイエットは、加工や加熱による脂肪・保存料・有害物質の除去を通じて、ビタミンやミネラルを自然な形で摂取できるため、甲状腺機能低下症の改善に期待されることがあります。

甲状腺機能低下症とは?

甲状腺機能低下症は、甲状腺から分泌されるホルモンが不足したり、体内でうまく利用できなかったりする状態です。自己免疫疾患(橋本病)や甲状腺の過剰刺激、ウイルス・細菌感染など、原因はさまざまです。主な症状は倦怠感、脈拍の遅さ、寒さへの耐性低下、体重増加(減量が困難)、便秘、手足のしびれ、場合によっては認知症やうつ状態です。子どもに起こると成長遅延や知能発達の障害を招くことがあります。

ローフードでおすすめの食材は?

ローフードでもバランスの取れたビタミン・ミネラルが摂取できることが重要です。特に以下の栄養素に注目しましょう。

ヨウ素

ヨウ素不足は甲状腺腫(甲状腺肥大)や機能低下の原因となります。現在は食塩にヨウ素が添加されているため、過剰摂取に注意しつつ、以下の自然食品からもヨウ素を補給できます。

  • 海水魚(サバ、サーモンなど)
  • 海藻類(昆布、わかめ、ノリ)
  • 海産物全般(エビ、カニ)
  • 寿司や刺身などの生の魚介類

チロシン

チロシンはヨウ素とともに甲状腺ホルモン(チロキシン)合成に関わる必須アミノ酸です。特に子どもの成長やうつ症状の改善に寄与します。以下の食材に多く含まれます。

  • 全粒穀物(全粒小麦、オート麦)
  • 乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ)
  • バナナ、アボカド
  • アーモンド、胡麻、かぼちゃの種
  • 鶏胸肉、豚ヒレ肉などの赤身肉(加熱せずに食べられる場合)

ローフードで避けるべき食材は?

一部の食材は「ゴイトロゲン性」と呼ばれ、甲状腺の機能を阻害したり腫大させたりする可能性があります。特に薬を服用中の場合は相互作用に注意が必要です。代表的なゴイトロゲン食材は次の通りです。

  • ブロッコリ、カリフラワー、キャベツ、芽キャベツ、ケール
  • 大根、ラディッシュ、カブ、ターンip
  • ジャガイモ、トウモロコシ、ミレット
  • 桃、梨、いちご

これらの野菜は加熱することでゴイトロゲン性物質が壊れ、影響が軽減されます。生で食べる際は量を調整し、医師や栄養士に相談してください。

エビデンス(科学的根拠)

メイヨークリニックの内分泌専門医トッド・ニポルト博士によれば、甲状腺機能低下症を根本的に改善する特定の食事法は科学的に証明されていません。一方、1957年にインド・マドラス大学で行われた実験では、ゴイトロゲン性物質を含む食材が甲状腺肥大を引き起こすことが確認されています。したがって、食事は症状の管理の一助となりますが、医師の指導のもとで総合的に治療を行うことが重要です。

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