テストステロンレベルと適切な補充用量

定義

テストステロンは、精巣と副腎(少量)から分泌される天然のアナボリックステロイドです。男性の主要な性ホルモンであり、女性に比べて約40〜60倍多く産生されます。

正常範囲

年齢や個人差により基準値は幅がありますが、米国の医師は一般に血清テストステロンが300 ng/dL未満を低値と判断します。テストステロンは20代後半でピークに達し、30歳以降は年間約1.5%ずつ減少します。80代の男性は20代後半の男性の20〜50%程度の濃度になることが多いです。

低テストステロンの原因

先天的な精巣形成障害や加齢、慢性疾患、薬剤、栄養不良、ストレス、頭部外傷、感染症、がん、手術、アルコール依存、精巣外傷などが主な原因です。

症状

低テストステロンの症状は軽微で見逃されがちですが、性欲低下、勃起不全、骨密度低下や骨折が起こり得ます。また、睡眠障害、うつ、倦怠感、身体的パフォーマンス低下のうち2つ以上が同時に現れると、低テストステロンが疑われます。

治療法

主に注射剤やパッチによるテストステロン補充療法が用いられますが、適応については医師間で見解が分かれます。米国臨床内分泌学会は、以前は正常とみなされていた高齢者にもホルモン補充を推奨する方向に改訂しています。一方で、若年・中年層に限定して使用する医師もいます。

投与量の目安

・エナンテートまたはシピオネート注射の場合、10〜16日ごとに200 mgを筋肉内(I.M.)に投与。投与後1週間で血中テストステロンは中等度の正常範囲に入ります。
・週1回の注射に変更する場合は100 mgに減量しますが、筋力増強を目的とした一部のアスリートは600 mgを週1回投与するケースもあります(副作用リスク増大)。
・陰嚢パッチは毎朝1枚貼付し、4時間後に血中濃度が中等度の正常範囲に達します。
・非陰嚢部位に夜間2枚貼付すれば、8〜12時間後に同様の濃度が得られます。

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