エピネフリンが心拍数を上げる仕組みとは
エピネフリンは、体が緊急時に『ターボブースト』が必要なときに分泌されます。危機的な状況や急なエネルギー需要に対し、ホルモン系が瞬時に反応し、腎臓の上にある副腎からエピネフリンが放出されます。その結果として最も分かりやすい症状のひとつが心拍数の増加です。
副腎髄質
副腎は腎臓の上部に位置し、実質的に中枢神経系の一部として体の機能(心拍数を含む)を調整します。副腎髄質ではエピネフリンとノルエピネフリンという二つのホルモンが合成され、クロマフィン顆粒という小胞に蓄えられています。恐怖・不安・痛み・環境温度の変化・低血糖・エネルギー需要の増大といった中枢神経系からの刺激が顆粒に働きかけ、ホルモンが速やかに血中へ放出されます。
エピネフリンの働き
中枢刺激に対してエピネフリンとノルエピネフリンは同時に放出されますが、エピネフリンは主に心拍数を上げ、ノルエピネフリンは血管を収縮させます。心拍数と血管収縮が同時に起こることで、心拍出量が増し、血圧と呼吸が上昇し、筋肉への血流が増大します。これにより、瞬時に身体が高いパフォーマンスを発揮できるようになります。
心拍出量
ストレス下ではエピネフリンが心拍出量を増大させます。安静時には全血液量が1分間に心臓を1回通過しますが、激しい運動時には最大で7倍以上の血液が心臓から送り出されます。
エピネフリン受容体
血流中のエピネフリンはα受容体とβ2受容体に結合します。すべての細動脈はα受容体を持ち、エピネフリンが刺激すると血管が収縮します。一方、骨格筋や心筋の細動脈に多く分布するβ2受容体は血管拡張を引き起こします。β2受容体が活性化されると、消化などのエネルギー消費が抑制され、筋肉と心肺系にエネルギーが優先的に供給されます。危機的状況での生存に不可欠であり、競技活動でも重要な役割を果たすエピネフリンの心拍数増加効果は、生命維持に欠かせないメカニズムです。
