銀はどのようにして細菌を殺すのか
銀(化学記号 Ag)は古くから抗菌剤として利用されてきました。銀イオンは細菌の増殖を抑え、既存の菌を死滅させます。近年の技術により、銀を含む化合物を日常用品にコーティングできるようになり、細菌の拡散防止に役立っています。2003 年に米国食品医薬品局(FDA)は食品産業での銀使用を承認し、大腸菌などの感染拡大防止に貢献しています。
働き方
病院では、非活性結晶キャリアに 5% の銀を含む抗菌銀化合物(Ag イオン)が使用されています。少量の水分に触れると銀イオンが放出され、ドアノブやペン、運動靴など様々な表面上の細菌を殺菌し、新たな増殖を防ぎます。銀イオンは毒性が低く、食塩よりも安全とされています。
歴史
銀は古代エジプトやギリシャで水を保存する容器に用いられ、自然の抗菌作用で飲料水を清潔に保っていました。抗生物質の登場で一時期陰に隠れましたが、抗生物質耐性菌の問題が顕在化するにつれ、再び注目を集めています。
新技術と応用例
スプレー、ジェル、コーティングなど多様な形態で銀が利用され、病院だけでなくレストランや空港、公共施設でも抗菌効果が期待されています。シンクや床、ベッドレール、聴診器、カテーテル、ペンなどに銀コーティングが施され、さらに病院用ガウンや創傷被覆材といった繊維製品にも銀繊維が組み込まれています。
リスク
少量の銀は体に無害ですが、大量に摂取すると血中に取り込まれ、皮膚や眼が青灰色に変色するアルギリアを引き起こすことがあります。この変色は無害ですが、通常は永久的です。
