動物と人間に共通する感染症
動物と人間の間で感染が拡大する疾患は複数存在します。直接接触や寄生虫、汚染された食物・水を介して感染することがあります。以下に代表的な感染症とその特徴、予防方法を紹介します。
回虫(ラウンドワーム)
回虫は猫や犬に多く見られる腸内寄生虫で、卵を誤って飲み込むことで人にも感染します。子どもが犬や猫の排泄物が付着した土や砂場で遊び、手を口や目に触れると感染リスクが高まります。多くの場合症状は軽微ですが、稀に臓器や脳にダメージを与える「臓器幼虫遊走症(VLM)」や、失明につながる「眼幼虫遊走症(OLM)」を起こすことがあります。
ライム病
ライム病はボレリア・ブルグドルフェリという細菌が原因で、主にシカやネズミが保有し、シカダニが感染動物から人へと媒介します。発疹や頭痛、リンパ節腫脹、筋肉痛などのインフルエンザ様症状が現れ、放置すると顔面麻痺や髄膜炎、不整脈など重篤化します。抗生物質による治療は通常4週間で完了します。
狂犬病
狂犬病はウイルス性の致死性疾患で、感染動物の唾液が傷口や粘膜に接触することで人に感染します。アライグマ、スカンク、コウモリ、キツネ、犬などが主要な媒介動物です。感染後は不眠、興奮、不安、錯乱、麻痺、過度の唾液分泌、水恐怖症などの神経症状が出現し、数日以内に死に至ります。曝露後2週間のワクチン接種で予防・治療が可能です。
レプトスピラ症
レプトスピラ症はレプトスピラ属の細菌による感染症で、感染動物の尿が汚染した淡水を人が飲むことで感染します。症状は寒気、筋肉痛、発疹、脾臓や肝臓の腫大など多様で、適切に治療しないと命に関わります。抗生物質が有効で、早期診断・治療が重要です。
