トキソカリア症の診断手順

トキソカリア症は、犬回虫(Toxocara canis)や猫回虫(Toxocara cati) が原因となる寄生虫感染症です。犬や猫が主な宿主で、人は偶然の感染者となります。卵を経口摂取すると腸内で孵化し、幼虫が腸壁を貫通して全身へ移動します。以下に診断の流れを示します。

診断手順

  1. 急性トキソカリア症の症状を確認します。腹痛や食欲不振が典型的です。肝臓の腫大や肺の喘鳴、眼の視力障害など、腸外臓器への症状も評価します。

  2. 患者の生活歴や既往歴を聴取します。衛生状態の悪さ、ペットの飼育、発作歴などを確認し、特に小児には砂場での遊びや土や砂を口にしたかどうかを尋ねます。

  3. 血液検査で好酸球増加(末梢血好酸球増多)を確認します。眼のトキソカリア症では必ずしも認められないことがあります。また、血清IgE濃度の上昇も重要な手がかりです。

  4. 血清学的検査で確定診断を行います。ELISAによりトキソカリア排泄分泌抗原(TES‑Ag)の濃度上昇が検出され、IgGの高値で低度感染が示唆されます。免疫ブロットでは24、28、30、35 kDa のバンドが特異的所見となります。

  5. 画像診断で感染範囲を評価します。超音波検査では肝臓に多数の低エコー領域が、CT検査では低密度の病変が確認されます。

感染症 - 関連記事