創傷の清拭とMRSA(耐性黄色ブドウ球菌)

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、ほとんどの抗生物質に対して耐性を示す黄色ブドウ球菌の株です。医療機関での感染(HA-MRSA)と地域での感染(CA-MRSA)に大別され、症状は軽い皮膚炎から致命的な全身感染までさまざまです。創傷の適切な清拭と予防策が感染拡大防止の鍵となります。

原因

MRSAは黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の耐性株です。メイヨークリニックによると、人口の約3分の1が皮膚や鼻にこの菌を保菌しており、病気になるわけではありませんが、他者に感染させる可能性があります。直接接触や保菌者との接触で感染し、切り傷や点滴・カテーテルの開口部があると血流に侵入します。

症状

症状は軽度の皮膚炎から全身感染まで幅広いです。軽い場合はにきびや膿瘍程度ですが、血流に入ると発熱、咳、寒気、筋肉痛、胸痛、息切れなどが現れ、放置すると生命に関わることがあります(Medline Plus)。

治療

MRSAは一部の抗生物質に感受性を示すことがありますが、主にバンコマイシンが使用されます。皮膚感染が軽度の場合は膿瘍の排膿だけで済むこともあります。創傷は滅菌環境で清拭し、ドレッシングは定期的に交換し、前回の包帯の繊維や残留物をしっかり洗い流すことが重要です。World Wide Woundsは銀コーティングドレッシングがMRSAに対して有効であると報告しています。

抗菌薬耐性

「スーパーバグ」と呼ばれる耐性菌は、細菌が短い世代交代で急速に進化・変異することと、人間による抗生物質の過剰使用が原因です。風邪やインフルエンザなどウイルス性疾患に対して不適切に抗生物質を使用したり、抗菌石鹸を過度に使用したりすると、耐性を持つ菌だけが残り、次世代へと遺伝子が受け継がれます。

予防

手洗いの徹底、タオルやカミソリなどの個人用衛生用品の共有禁止、創傷の清拭と適切な被覆が基本です。また、医療従事者が患者に触れる前に手指を洗浄することも重要です。皮膚病変から他部位や医療従事者への拡散を防ぐため、治療時にはマスク、手袋、ガウンの使用が推奨されます。

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