卵形マラリア原虫(Plasmodium ovale)とは?症状と特徴

卵形マラリア原虫(Plasmodium ovale)は、マラリアを引き起こす4種の原虫のひとつで、主に蚊(雌のハマダラカ)の刺咬を通じて人の血流に侵入します。

分布と重要性

この原虫はサハラ以南のアフリカ全域や西太平洋の一部島嶼に広く分布しています。2005年の臨床微生物学レビューによると、東アジア本土でも報告例があるとされています。また、ナイジェリアではマラリアの第二位原因とされ、同国の多くの感染者に関与しています。

米国における発生率

米国では毎年約1,300件のマラリアが報告されており、ほとんどは熱帯地域への旅行者です。そのうちPlasmodium ovaleは全症例の約2.3%を占めるにすぎません。

感染の経過と特徴

四種のマラリア原虫の中で、卵形株は比較的軽症とされています。感染後、原虫は血流を介して肝臓へ移動し、そこで増殖・成熟します。血液中で診断可能になるまでに12〜20日かかりますが、肝臓内で数週間~数か月休眠し、後に急性症状を引き起こすことがあります。

主な症状

従来の「寒気→熱→大量発汗」の三段階パターンは稀で、代わりに以下のような症状がみられます。

  • 全身の倦怠感・筋肉痛
  • 発熱・寒気
  • 大量の発汗
  • 悪心・嘔吐
  • 頭痛

米国などマラリアが稀な地域では、インフルエンザと誤診されることがあります。また、卵形マラリアは初回感染から数か月、さらには数年後に再燃することがあります。

診断方法

従来は血液顕微鏡検査が標準でしたが、2007年に米国食品医薬品局(FDA)が承認した「Binax NOW」迅速診断キットにより、血液数滴で15分以内に診断が可能です。検出精度は約95%と報告されています。

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