回虫(Ascaris lumbricoides)の識別方法
Ascaris lumbricoides(大腸回虫)は、最も大きく、最も一般的な腸内線虫です。不衛生な環境で感染リスクが高まり、感染は感染性卵を経口摂取することで起こります。臨床検査では、成虫や顕微鏡下の卵を確認する様々な手法が用いられます。
成虫の特徴
成虫は肉眼で観察でき、時に鼻や肛門から体外に排出されます。色はクリーム色から淡いピンク白で、円筒形で両端が細くなっています。雄は長さ15〜30 cm、雌は最大で約35 cmに達します。
卵の特徴
感染診断の主な手段は糞便中の卵検出です。卵は肉眼では見えないため顕微鏡が必要です。受精の有無や乳頭状被膜の有無により形態が変化し、長さは30〜90 µmです。
直接湿式塗抹法
スライド上に少量の糞便と生理食塩水を混合し、カバーガラスで覆って薄く広げます。10倍レンズで特有の卵を観察します。
沈降法(フォーマルイン‑エチル酢酸法)
大量の糞便を濃縮し、約2 gの沈殿物にまとめます。沈殿物をスライドに置きカバーガラスをかけ、顕微鏡で卵を確認します。
浮上法
比重1.18以上の亜鉛硫酸溶液を用いて卵を浮かせます。ただし、受精していない大きな卵は重すぎて浮かび上がらないことがあります。
