サルモネラ腸炎とは?原因・症状・診断・治療法
サルモネラは腸内細菌科Enterobacteriaceaeに属する細菌属で、E. coliと近縁です。ヒトのサルモネラ感染は主にSalmonella entericaが原因で、3つの血清型(S. typhi、S. typhimurium、S. enteritidis)が異なる疾患を引き起こします。その中でもS. enteritidisは米国で最も多く報告される食中毒原因で、年間約150万人が罹患しています。
症状
激しい頭痛、吐き気、嘔吐、下痢、腹部の痙攣・痛み、発熱など、インフルエンザ様症状が現れます。症状は通常、摂取後12時間~3日で急に出現し、数日で改善しますが、最長で1週間続くこともあります。S. enteritidis感染は致死率が0.08%未満と比較的軽症ですが、乳幼児や高齢者、免疫低下者は重症化しやすいです。
診断
サルモネラ症状は他疾患と類似するため、便検査でS. enteritidisの存在を確認します。便サンプルを培養し、通常5日で結果が出ますが、迅速法では2日で判明することもあります。検査により菌株と感受性抗生物質が特定されます。
治療
多くの患者は自然回復し、特別な治療は不要です。重症例や脱水が認められる場合は、抗生物質投与や輸液が行われます。ただし、サルモネラは抗生物質耐性化が進行しているため、軽症の場合は抗生物質使用を控えるのが原則です。
合併症
症状が治まっても約3%の患者で反応性関節炎(Reiter症候群)を発症し、関節痛・尿道炎・結膜炎などが起こります。慢性化することもあり、治療が難しい場合があります。
感染経路・予防
主な感染源は汚染された食品、特に卵や鶏肉です。調理が不十分だったり、調理後の手洗いが不十分な場合に感染します。十分な加熱と適切な衛生管理が感染防止の基本です。
