黒死病はどのように広がったか
感染拡大の主な経路
黒死病(大ペスト)は、主に黒鼠(Rattus rattus)が運ぶノミの刺咬により広がりました。黒鼠は交易船や港町に頻繁に生息しており、交易路に沿って病原菌が急速に拡散しました。船に乗り込んだノミが感染した黒鼠や人間に刺すことで、ペスト菌(Yersinia pestis)が伝播します。
人への感染メカニズム
ノミが人を刺すと、細菌は皮膚から侵入し、リンパ系を通って近くのリンパ節へ移動します。その結果、鼠径部、腋窩、首のリンパ節に腫脹(腺ペスト)を起こします。リンパ系が損傷すると血流に入り、敗血症型ペストとなります。肺に感染すれば肺ペストとなり、空気飛沫で人から人へ感染します。
交易と移動がもたらした大流行
14世紀中葉から始まった中世の大流行は、交易港や航路を通じてノミと感染鼠が遠距離にわたり拡散した結果です。船舶や陸上の移動が病原体の媒介者と接触させ、広範囲にわたる壊滅的な被害を引き起こしました。
