Ancylostoma duodenale(フックワーム)の生活環と診断・治療
Ancylostoma duodenaleは、ヒトの小腸に寄生する線虫のフックワームです。感染すると、皮膚にかゆみを伴う発疹、発熱、咳、呼吸器・胃腸症状が現れ、成虫は宿主の血液を吸血します。重症例では慢性的な出血と貧血を引き起こします。感染は主に汚染された土壌との接触で起こり、経口や母乳を介した伝播も報告されています。
卵段階
成虫が小腸で産む卵は糞とともに体外へ排出されます。温かく湿った土壌中で約2日で孵化し、幼虫が発生します。
ラブディティフォルム幼虫(Rhabditiform Larva)段階
孵化した幼虫はラブディティフォルム幼虫と呼ばれ、糞や土壌中で5〜10日間成長しながら2回脱皮します。
線形幼虫(Filariform Larva)段階
最終脱皮を経て線形幼虫となり、感染能を持ちます。土壌中で最大1か月生存可能です。皮膚に接触すると幼虫は皮膚を通って体内に侵入し、血流に乗って肺へ運ばれます。
肺に到達した幼虫は肺胞へ移動し、気道を上行して咳とともに喉へ上がります。その後飲み込まれ、小腸へ到達し、成虫へと成長します。
成虫段階
小腸壁に付着した成虫は宿主の血液を吸血しながら繁殖します。雌は腸内で卵を産み、生活環が繰り返されます。成虫は最大で2年ほど小腸に生存します。
診断と治療
診断は新鮮な便検査でフックワームの卵を確認することが主です。貧血や鉄欠乏などの血液検査も補助的に用いられます。治療にはアルベンダゾールなどの抗寄生薬が第一選択薬とされています。
