腎臓外傷の症状と対策
概要
重度の鈍的外傷や貫通性外傷を受けた患者の約8〜10%で腎臓外傷が発生します。外傷の程度により症状や治療方針が大きく変わります。
腎臓裂傷の種類と特徴
腎臓の裂傷は以下の4段階に分類されます。
- 1cm未満の裂傷(内部の尿細管や導管は損傷していない)
- 1cm以上の裂傷(内部構造に影響しない)
- 内部組織まで及ぶ裂傷(尿細管・導管が損傷)
- 主腎動脈が完全に断裂した重篤な裂傷
損傷の程度が大きいほど出血や機能障害のリスクが高く、初期に症状が現れないこともあります。
腎臓裂傷の原因
腹部への強い衝撃が主な原因です。転倒、自動車事故、バイク事故などが典型的です。深部まで裂傷が及ぶと、後腹膜腔へ大量出血が起こります。
第11・12肋骨が折れるような胸部外傷も、腎臓に直接的な衝撃を与えることがあります。
主な症状
症状は損傷の程度に左右されます。軽度の場合は無症状ですが、以下の所見が見られることがあります。
- 腹部や側腹部を押すと痛み(肋胸背角圧痛)
- 血尿(尿に血が混ざる)
- 背部や腹部の鈍い疼痛
症状がなくても腎臓損傷が疑われる場合は、速やかに医療機関で診察を受けましょう。
診断方法
損傷の範囲を正確に把握するために、CT検査が第一選択です。CTで出血や尿漏れが確認できない場合は、必要に応じて大動脈造影(アオートグラム)を実施します。
治療方針
裂傷の重症度に応じて治療が分かれます。
- 軽度の裂傷は安静と経過観察で治癒が期待でき、手術は不要です。
- 出血や造影剤漏出が認められる場合は、腎臓の止血や修復を目的とした手術が行われます。
予防策
バイクやスケートボードなど、転倒や腹部への衝撃が起きやすいスポーツを行う方は、腎臓ベルトの使用を検討してください。ベルトは通気性のある伸縮素材で作られ、背中下部と腰回りをしっかり固定します。
