尿路感染症が原因の腎不全
腎臓は背中の下部に位置する、豆の形をした赤みがかった臓器で、血液中の老廃物を濾過し、体内のさまざまな生理機能を支えています。腎臓が機能しなくなる原因はさまざまですが、放置した尿路感染症も重要な要因の一つです。
腎臓の構造と機能
- 各腎臓は腎動脈・腎静脈・尿管を持ち、血液は腎動脈から流入します。
- 微細な血管網で血圧を利用して濾過が行われ、尿素や余分な水分、老廃物が除去されます。
- 濾過された尿は尿管を通じて膀胱へ送られ、排泄されます。
- 腎臓はレニン・エリスロポエチン・活性型ビタミンDなどのホルモンを分泌し、血圧調整、赤血球産生、骨のカルシウム吸収を助けます。
尿路感染症とは
- 膀胱・尿管・尿道・腎臓からなる尿路が細菌(主に大腸菌)に感染すると起こります。
- 感染は通常、尿道から膀胱へ、最終的に腎臓へと広がります。
- 腎臓に感染が及ぶと「腎盂腎炎」と呼ばれ、他の尿路感染症に比べ治療期間や回復に時間がかかります。
尿路感染症が腎不全につながるメカニズム
- 軽度の尿路感染症は抗菌薬で容易に治癒しますが、放置すると腎盂腎炎へ進行します。
- 腎盂腎炎は腎組織を炎症させ、繊細な腎臓を徐々に損傷します。
- 腎臓は再生能力が乏しく、一度失われた機能は回復しません。
- 感染が慢性化すると腎機能が低下し、最終的に腎不全に至ります。
腎不全の治療
- 腎機能の回復は期待できないため、治療は「腎代替療法」に焦点を当てます。
- 透析(血液透析・腹膜透析)は人工的に血液を濾過し、体内の老廃物を除去します。
- 腎移植は適合ドナーからの腎臓を移植する方法ですが、適合者の確保や拒絶反応のリスクがあります。
- いずれの方法も生活習慣の管理と定期的な医療チェックが不可欠です。
予防策
- 尿路感染症を予防することが腎不全防止の第一歩です。
- 外陰部を清潔に保ち、排便後は前から後へ拭くことで細菌の尿道侵入を防ぎます。
- 尿意を我慢せず、こまめに排尿する習慣をつけましょう。
- 感染が疑われたら早めに医師の診察を受け、症状が数日で改善しない場合は再受診してください。
