腎臓病の食事管理で控えるべき17の食品
腎臓病患者は、ナトリウム、カリウム、リンの摂取量をしっかり管理することが不可欠です。代表的な高ミネラル食品として、コーラ、玄米、バナナ、加工肉、乾燥果実などがあります。
腎臓は以下のような重要な機能を担っています。
- 血液中の老廃物を濾過する
- 余分な水分を尿として排出する
- 血圧や赤血球産生を調節するホルモンを生成する
- カルシウム、カリウム、リンなどのミネラルバランスを保つ
- 体全体の水分バランスを維持する(1)
腎機能が低下すると、体内に水分がたまりやすく、老廃物が血中に蓄積します。
腎臓に優しい食事を取り入れ、特定の食品を制限することで、老廃物の蓄積を抑え、残存腎機能をサポートし、病気の進行を遅らせる可能性があります(3)。
以下に、腎臓病食(レノ食)でできるだけ控えるべき17の食品を紹介します。
濃色炭酸飲料(コーラなど)
カロリーや糖分だけでなく、濃色の炭酸飲料には吸収率の高いリン酸塩添加物が多く含まれています(9)。風味や保存性を高めるために使用されますが、栄養表示には必ずしも記載されません。
355 mL(12 oz)のコーラ1本には約33.5 mgのリンが含まれます(10)。このリンが腎臓に負担をかけるため、濃色炭酸飲料は原則避けるべきです。
要点濃色炭酸飲料は吸収率の高いリンが豊富で、腎臓に優しい食事では除外するのが望ましいです。
アボカド
心臓に良い脂肪や食物繊維、抗酸化物質が豊富な一方で、カリウムも多く含まれます。中サイズ1個で約690 mgのカリウムが摂取できます(11)。カリウム制限が必要な場合は、1/4個程度に抑えるか、完全に避けてください。
要点カリウムが多いため、必要に応じて摂取量を制限または回避します。
缶詰スープ・野菜・豆類
缶詰は便利ですが、保存料として大量のナトリウムが添加されていることが多いです(12)。「無塩」や「低ナトリウム」表示の製品を選び、豆やツナなどは水でよく洗ってナトリウムを減らしましょう(13)。
要点多くの缶詰はナトリウムが高いので、低ナトリウム製品を選ぶか、使用前にしっかり洗い流します。
パンの選び方
全粒粉パンは健康的ですが、白パンに比べてリンとカリウムが多く含まれます(14)。全粒粉パン1枚(36 g)で約76 mgのリン、90 mgのカリウム、白パン1枚(28 g)で約32 mgずつです(15, 16)。すべてのパンはナトリウムを含むため、ラベルを確認し、低ナトリウムのものを選びましょう。
要点リン・カリウムが少ない白パンがレノ食では好まれます。必ずナトリウム量も比較してください。
玄米
玄米は白米よりもカリウムとリンが多いです。炊いた玄米1カップ(155 g)でリン149 mg、カリウム95 mg。一方、白米1カップ(186 g)ではリン69 mg、カリウム54 mg(18, 19)。量を控えるか、低リン穀物(ブルグル、小麦粉、パール大麦、クスクスなど)に置き換えると良いでしょう。
要点玄米はリン・カリウムが多いため、量を制限するか白米・低リン穀物に変更します。
バナナ
バナナは代表的なカリウム源で、中サイズ1本で約422 mg含みます(20)。カリウム制限が必要な場合は、カリウムが比較的少ないパイナップルなどの熱帯果実に置き換えてください。
要点バナナはカリウムが豊富で制限が必要です。代替としてパイナップルなどを選びます。
乳製品
牛乳やチーズはタンパク質、カルシウム、リン、カリウムを供給します。全乳200 mLでリン205 mg、カリウム322 mg、タンパク質約8 g(22)。過剰なリンは骨からカルシウムを奪い、骨折リスクを高めます(23)。低リンの代替品として、無糖の米乳やアーモンドミルクを選びましょう。
要点乳製品はリン・カリウム・タンパク質が高いので、量を抑え低リンミルクに切り替えます。
オレンジとオレンジジュース
大きめのオレンジ1個(184 g)で333 mg、オレンジジュース1カップ(240 mL)で458 mgのカリウムを含みます(24, 25)。ブドウ、リンゴ、クランベリージュースなど、カリウムが少ないものに代替してください。
要点オレンジ類はカリウムが高いので、低カリウム果物やジュースを選びます。
加工肉(ハム・ベーコン・ソーセージ等)
加工肉はナトリウム(28)とタンパク質が豊富です。1日2,300 mgのナトリウム上限を守るのが難しく、過剰なタンパク質は窒素老廃物を増やす恐れがあります(26‑27)。
要点ナトリウムとタンパク質が多いので、摂取は控えめにします。
ピクルス・オリーブ・レリッシュ
塩漬け・酢漬け工程で大量のナトリウムが加わります。ピクルス1本で約283 mg、甘いレリッシュ大さじ2(30 g)で約244 mgのナトリウムが含まれます(29‑30)。減塩製品もありますが、量の管理が必要です。
要点ピクルス類はナトリウムが高いので、量を制限し減塩品を選びます。
アプリコット(生・乾燥)
生のアプリコットはカップ1杯(165 g)で約427 mgのカリウム(32)。乾燥アプリコットはさらに濃縮され、1カップ(130 g)で1,500 mg超が含まれ、2,000 mgの低カリウム目標の75 %に相当します(33)。
要点生・乾燥ともにカリウムが多く、レノ食では避けるべきです。
ジャガイモ・サツマイモ
中サイズのベイクドポテト(156 g)で610 mg、サツマイモ(114 g)で542 mgのカリウムが含まれます(34‑35)。茹でや二度調理で約20 %減りますが、完全には除去できないため、量を管理する必要があります。
要点カリウムが多いので、茹でて減らすか、適量に抑えます。
トマト・トマトソース
トマトソース1カップ(245 g)で約728 mgのカリウム(38)。代替として、ロースト赤ピーマンソースなど低カリウムのものを選びましょう。
要点トマト系はカリウムが高いので、低カリウムの代替品を使用します。
加工・インスタント・冷凍食品
冷凍ピザや電子レンジ対応の惣菜、インスタント麺はナトリウムが非常に高く、栄養価が低いことが多いです(39)。毎日摂取すると1日2,300 mgのナトリウム上限を超えやすくなります。
要点ナトリウムが多く栄養価が低いため、摂取は控えめにします。
葉物野菜(スイスチャード、ほうれん草、ビートグリーン)
生の状態でカップ1杯(30‑38 g)あたり136‑290 mgのカリウムが含まれます(40‑42)。加熱すると体積は減りますがカリウムは変わらないため、加熱した半カップでも同等のミネラル負荷があります。また、これらの野菜はオキサレートが多く、腎結石のリスクがある人は注意が必要です(43)。
要点加熱してもカリウムは残るので、適量に抑え、オキサレート摂取にも留意します。
乾燥果実(デーツ、レーズン、プラム)
乾燥により栄養が濃縮され、カリウムも増えます。プラム1カップ(174 g)で1,270 mg、デーツ4個で約668 mgのカリウムが含まれます(44‑46)。腎臓病患者の推奨量を大きく超えます。
要点カリウムが非常に高いので、レノ食では避けます。
スナック菓子(プレッツェル・チップス・クラッカー)
栄養価が低く、塩分が多いのが特徴です。特にポテトチップスはカリウムも含むため(47)、摂取量の管理が難しく、ナトリウム・カリウム過剰のリスクが高まります。
要点塩分・カリウムが高く、過剰摂取しやすいので、食べる頻度と量を制限します。
まとめ
腎臓に優しい食事は制限が多く感じられますが、全米腎臓財団や担当の腎臓栄養士が提供する美味しく栄養バランスの取れたレシピは数多くあります。自分の検査結果や目標に合わせて、分量や食材を調整しましょう。
要点多彩なレノ食レシピがあり、専門家と相談しながら自分に合ったメニューを作ります。
透析患者の特別な配慮
透析を受けている方は栄養ニーズが異なります。ほとんどのCKDステージではナトリウム、カリウム、リン、タンパク質を制限しますが、透析患者はタンパク質の必要量が増えます(8)。腎臓専門医と腎臓栄養士と密に連携し、個別の食事プランを作成してください。
腎臓をサポートする食品例
低ミネラルで栄養豊富な食材を中心に組み立てます。
- 豆腐
- 低リンチーズ(山羊チーズ、パルメザン、モッツァレラ、モンタレー・ジャック、スイス、ブリー)
- 植物性ミルク(オート、豆乳、米乳)
- 健康オイル(オリーブ、サフラワー、ゴマ)
- 魚介類
- 新鮮な果実(イチゴ、ブルーベリー、リンゴ、ザクロ)
- 豆類(適量)
よくある質問
ピーナッツバターは腎臓に優しいですか?
ピーナッツバターは植物性タンパク質と食物繊維が豊富ですが、2杯(約30 g)で65 mgのオキサレートを含み、結石リスクがある人は注意が必要です(54‑55)。無塩・無加糖のものを選び、医師と相談してください。
チョコレートは食べても大丈夫ですか?
ダークチョコレートは抗酸化作用があり、透析患者の炎症軽減に役立つ可能性があります(50‑51)。ただしカロリーが高く、砂糖やリン・カリウムも含むため、適量を守って楽しんでください。
卵は問題ありませんか?
卵は栄養価が高く、レノ食に取り入れられますが、厳しいタンパク質制限をしている場合は、1日の許容量に合わせて量を調整してください(48)。
コーヒーは安全ですか?
適量(1杯)であれば概ね問題ありません。ミルクやクリーマー、シロップを加えるとカリウム・リンが増えるので注意が必要です。また、個々の水分制限に合わせて摂取量を調整してください(49)。
ナトリウム、カリウム、リンの管理は腎臓病ケアの基本です。検査結果や生活スタイルに合わせた個別プランは、必ず腎臓栄養士に相談して作成しましょう。
