副甲状腺摘出術の主な副作用と対策

副甲状腺は甲状腺の背後に2対(計4個)存在し、副甲状腺ホルモン(PTH)を分泌して血中カルシウム濃度や骨からのカルシウム放出、腸管でのカルシウム吸収(ビタミンD活性化を介して)を調節します。副甲状腺機能亢進症(過形成)では骨から過剰にカルシウムが放出され、血中カルシウムが上昇し、腎結石や骨折のリスクが高まります。最も効果的な治療は副甲状腺摘出術(全摘または部分摘)です。

副甲状腺ホルモン低下(低副甲状腺機能)

手術後1日以内に約70%の患者でPTHが低下し、低カルシウム血症を起こします。カルシウムが不足すると筋肉や神経の機能が低下し、手足のしびれ・チクチク感、筋痙攣(テタニー)、場合によっては意識混濁や不整脈が見られます。重度の場合は速やかなカルシウム補充が必要です。

副甲状腺ホルモン上昇(再発性高副甲状腺機能)

手術約1週間後にPTHが再び上昇することがあります。このとき血中カルシウムは正常または低めのままですが、PTHが高い状態が続くと長期的にカルシウムとビタミンDの補充が必要になることがあります。

甲状腺への影響

副甲状腺を取り除く際に甲状腺を操作するため、甲状腺ホルモンが一時的に過剰に放出されることがあります。これにより一過性の甲状腺機能亢進症が起こり、震え、頻脈、不安、睡眠障害などの症状が現れます。また、手術中に甲状腺が損傷すると部分的または全体的に摘出が必要になることがあり、その場合は甲状腺ホルモン補充薬が処方されます。

神経損傷

喉頭部の神経が損傷すると、声帯の機能低下により声がかすれたり、ほとんど声が出なくなることがあります。また、嚥下に関わる神経が傷つくと飲み込みが困難になり、薄い液体ですらむせやすくなることがあります。

腫脹(むくみ)

手術後に喉の腫脹が起こることがあります。重度になると呼吸困難や息切れを感じることがありますが、通常は数か月以内に自然に改善します。

注意点

喫煙は喉の刺激となり回復を遅らせます。可能であれば手術前に禁煙し、術後特に最初の1週間は喫煙を控えてください。

術後の症状は個人差がありますが、異常を感じたら速やかに担当医に相談することが重要です。

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