血中カリウムが高い状態(高カリウム血症)について
血中カリウム濃度が上昇する状態は「高カリウム血症(ハイパーカリウム血症)」と呼ばれ、放置すると致命的になることがあります。カリウムは通常、細胞内に存在し筋肉や神経の正常な機能に不可欠な電解質ですが、過剰に血液中に漏れ出すと心臓のリズムが乱れ、最悪の場合心停止に至ります。
原因
- 腎機能の低下:急性・慢性腎不全、糖尿病性腎症、糸球体腎炎や狼瘡性腎炎、尿路閉塞など。
- 組織損傷や大量出血:外傷、消化管出血、重度感染、急激なタンパク質分解により細胞からカリウムが大量に放出される。
- 薬剤の影響:ACE阻害薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、カリウム保持性利尿薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬、カリウムサプリメントなど。
症状・影響
- 初期は自覚症状が乏しいが、濃度が危険レベルに達すると吐き気、不整脈、脈拍弱化、筋力低下、めまい、手足や舌のしびれが現れる。
- 放置すると痙攣、発作、麻痺、最終的に心停止に至る可能性がある。
治療法
- 入院しての緊急治療が必要。インスリン+ブドウ糖、β刺激薬、炭酸ナトリウムなどでカリウムを細胞内へ移動させる。
- 利尿薬で余分なカリウムを排泄させ、腎機能が著しく低下している場合は透析を実施。
- 長期的にはバナナ、ジャガイモ、サーモンなどカリウム含有量の高い食品を制限し、原因薬剤(例:ACE阻害薬、NSAIDs、スピロノラクトン等)を中止または代替薬に変更する。
診断上の留意点
- 症状が軽微であるため診断が遅れやすい。血液検査でカリウム濃度を測定するが、採血時に赤血球が破壊されると偽陽性になることがある。
- 高カリウム血症が疑われる場合は、採血・検体の取り扱いに細心の注意が必要で、迅速な結果が求められる。
注意喚起
- カリウム濃度が著しく上昇すると心停止の危険があるため、特に腎臓に問題がある方は、症状(胸の違和感、強いめまい、不整脈感覚等)を感じたら直ちに医師または救急医療機関に連絡してください。
