振戦(ふるえ)の治療法
本態性振戦(エッセンシャル・トレマー)は、主に手に現れますが、体のどの部位でも起こり得ます。文字を書いたり、コップを持ち上げたり、靴ひもを結んだりするような単純作業で症状が顕著になります。生命に直接関わる疾患ではありませんが、時間とともに症状が進行することがあります。65歳以上の約14%が罹患していると国立衛生研究所は報告しています。
薬物療法
軽度の本態性振戦では治療は不要ですが、症状が悪化した場合は医師に相談し、薬物療法が検討されます。ベータ遮断薬(プロプラノロール、アテノロール、メトプロロールなど)は振戦を抑える効果がありますが、喘息や心疾患がある方は使用できません。そのほか、抗てんかん薬(ガバペンチン、トピラマート)や、ストレス・不安で振戦が増強する人には抗不安薬が処方されることがあります。頭部や声帯の振戦には、ボツリヌス毒素(ボトックス)注射が有効で、約3か月間効果が持続しますが、手の振戦には効果が期待できません。
理学療法・外科手術
理学療法士の指導のもと、筋肉のコントロールと協調性を高めるエクササイズを行うことで振戦を軽減できます。日常生活では、重めの食器や太めのペン・鉛筆を使用するのも有効です。薬物療法や理学療法で効果が不十分な場合は、外科的介入が検討されます。深部脳刺激法(DBS)は、視床に電極を埋め込み、胸部に装置を設置して電気パルスを送ることで振戦を抑制します。
自宅でできる対策
アルコールやカフェインの摂取は控えめにしましょう。カフェインはアドレナリン分泌を促し振戦を悪化させ、アルコールは一時的に抑えるものの、効果が切れると逆に強くなることがあります。依存は禁物です。最も重要なのはストレスと疲労を避け、リラックスすることです。十分な睡眠と適度な運動を心がけることで、振戦のコントロールにつながります。
