化学療法による末梢神経障害の治療
症状
化学療法に伴う末梢神経障害(CIPN)は、治療中いつでも現れます。主な症状は、焼けるような痛み、しびれ、チクチク感、筋力低下、バランス感覚の乱れ、温度感覚の過敏、便秘、血圧変動、嚥下障害などです。症状は通常、両側の手足に同時に現れ、日常生活の動作(歩行や着替え)に支障をきたすことがあります。重篤な場合は呼吸困難、麻痺、臓器不全に至ることもあるため、症状が出たらすぐに医師に相談してください。
予防策
神経障害のリスクが高い薬剤には、以下のようなものがあります。
- タキサン系(パクリタキセル、ドセタキセル)
- プラチナ系(カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン)
- エポチロール系(イキサベパロン)
- 植物アルカロイド系(ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン)
- レナリドミド、サリドマイド、ボルテゾミブ
これらの薬剤を使用している場合、代替薬があるか医師に確認しましょう。代替薬がない場合でも、投与方法を変更することでリスクを低減できることがあります。たとえば、大容量を一度に投与する代わりに、複数回に分けて小容量で投与したり、投与時間を延長したりする方法です。
サプリメントとしてビタミンE、抗痙攣薬、カルシウム・マグネシウムの併用点滴が検討されることがありますが、エビデンスは限定的です。使用を検討する際は必ず医師と相談してください。
治療法
既に神経障害が発症している場合、以下のアプローチが考えられます。
- 別の化学療法薬への変更(可能であれば)
- 症状が一時的な反応である場合は自然回復を待つ(数週間~数か月)
- 疼痛緩和のためのステロイド、抗痙攣薬、低用量抗うつ薬の使用
- 重症例ではオピオイド系鎮痛薬の使用
- バイオフィードバック、鍼灸、理学療法、作業療法、リラクゼーション療法などの補助療法
症状や生活への影響に応じて、医師と最適な治療計画を立てることが重要です。
