神経性失神(血管迷走性失神)の原因は?
神経性失神(血管迷走性失神、NCS)は、突然の意識喪失を伴う失神で、血圧低下と徐脈がしばしば見られます。若年層の約25%が一度は経験し、恐怖・不快感・不安が主な誘因です。
症状
- 立位で起こりやすく、めまい、吐き気、倦怠感、頭痛、腹痛、発汗、視覚障害、めまい感が現れます。
- 皮膚が青白くなる、顔色が青白くなることもあります。
- 嘔吐、言語障害、混乱が続くことがあり、意識回復後も症状が残ることがあります。
原因
- 急に立ち上がると重力により血液が下半身に集まり、脳への血流が不足します。NCS患者はこの血流調整が遅れがちです。
- 血漿中の化学物質バランスの変化や、セロトニン濃度の低下が関与するとされています。セロトニンは遺伝的要因や体内の化学的不均衡で低下することがあります。
- インスリン感受性が高いことも報告されており、インスリンの産生・処理能力が影響します。
誘因
- 上記の生理的要因に加えて、ストレスや疼痛が急性の失神エピソードを引き起こすことがあります。
診断
- 主に「チルトテーブルテスト」が用いられます。患者は夜間絶食後、専用テーブルに仰向けで固定され、15分後に60〜80度まで傾斜させます。症状が再現すればNCSと診断されますが、偽陽性・偽陰性の可能性があります。
治療
- 低リスクで低コストな対策として、体位変換や筋肉収縮が推奨されます。症状が出たら、手を握りながら腕を胸から離す、脚を組んで筋肉を緊張させる、膝の間に頭を置くなどの方法があります。
- 長期的な予防策として、塩分と水分の摂取を増やすことが有効です。
- 一部の研究では、心臓神経遮断(Cardioneuroablation)が有効と示唆されています。これは心臓周囲の自律神経節をラジオ波で刺激する手法です。
