カスター豆の有毒性と影響
カスター豆(ヒマシ油)植物の種子は、極めて高濃度のリシンを含んでいます。リシンは最も強力な毒素の一つで、生物兵器としても利用されるほどです。庭に植えると美しい緑や紫色の大きな葉が目を引きますが、致死性を理解していない人が多いのが現状です。
細胞への影響
- リシンは細胞内のタンパク質合成を阻害し、急速に細胞死を引き起こします。消化管の細胞から始まり、神経細胞や脳細胞まで全身の細胞に影響します。
致死量
- 大人でもカスター豆の種子2粒で致死的になる可能性があります。種子の外皮が破れ、水分が入ってリシンが活性化されると中毒が起こります。外皮がそのままの場合は消化されずに体外へ排出され、害はありません。
感受性
- 哺乳類、鳥類、昆虫など、ほとんどの動物がリシン中毒に似た症状を示します。人間に加えて、家畜(鶏、羊、牛、ウサギ、豚)やペット(猫、犬)も中毒の対象となります。
症状
- 摂取後数時間(最長6時間)で激しい腹痛、嘔吐、血便を伴う下痢が現れます。重症例では痙攣、血尿、錯乱がみられ、3日以内に脱水、尿量減少、血圧低下が進行し、肝臓・腎臓・脾臓の機能不全に至り死亡します。
治療法
- リシンに対する抗毒素は存在しませんが、早期の医療介入で救命可能です。点滴による体液補充、必要に応じた人工呼吸、血圧維持の薬剤投与が有効です。摂取直後であれば、活性炭による胃洗浄が一定の効果を示します。
予防策
- カスター豆全体が有毒ですが、特に種子にリシンが集中しています。米国では主に一年草として栽培されますが、南部や西南部では多年草になることがあります。開花前に剪定して種子ができないように管理することが重要です。
