セロトニン症候群の概要と対処法
症状
セロトニン症候群の主な症状は、落ち着きがなくなる、興奮、混乱、心拍数の増加、瞳孔拡大、筋肉のけいれんや協調運動障害、過度の発汗、頭痛、寒気や鳥肌などです。重症例では高熱、痙攣、不整脈、意識消失がみられ、迅速な治療が必要です。
原因
セロトニンの過剰は、以下のような薬剤の併用や過剰摂取によって引き起こされます。
- 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)
- モノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)
- 抗うつ薬のブプロピオン、抗偏頭痛薬、抗嘔吐薬、ラインゾリド、リトナビルなど
- 市販の風邪・咳止めやサプリメント、ハーブ製品
- エクスタシー、コカイン、アンフェタミンなどの違法薬物
これらの薬剤が体内のセロトニン濃度を異常に上昇させることが根本的な原因です。
リスク要因
主なリスクは、セロトニンを増加させる薬剤を複数同時に使用することです。また、違法薬物やセロトニンを含むハーブ製品の使用もリスクを高めます。複数の薬剤を服用している場合は、医師に相談し代替薬への切り替えを検討してください。
罹患率・死亡例
米国ニューヨーク・タイムズによると、2002年にセロトニン過剰症の報告件数は7,349件で、死亡は93件でした。2005年には死亡例が118件に増加しています。
合併症
治療が遅れると、重度の筋肉痙攣が起こり、筋組織が損傷します。痙攣で産生された有害物質が血流に入り腎臓や肝臓に蓄積し、腎不全や肝障害を引き起こすことがあります。症状が疑われる場合は速やかに医療機関を受診してください。
診断と検査
症状が3つ以上認められた場合、医師は以下の検査を実施します。
- 血液培養(感染の有無)
- 全血球計算(CBC)
- 毒物スクリーニング
- 電解質測定
- 心電図(ECG)
- 甲状腺機能検査
- 肝機能・腎機能検査
診断が確定したら、セロトニン過剰を引き起こす薬剤を中止します。通常、薬剤を止めるだけで症状は24時間以内に改善します。
