表皮嚢胞腫と脊髄シリンジ症について
表皮嚢胞腫とは?
表皮嚢胞腫(エピデルミオイド腫)は、通常は良性でゆっくり成長する腫瘍で、脳や脊髄に発生します。脊髄の表皮嚢胞腫はほとんどが先天性で、胎児発育第4〜5週の神経管閉鎖時に上皮組織が異所性に移動した結果と考えられています(「Spinal Cord」誌報告)。
症状と治療
腫瘍の位置により、視力障害、けいれん、発熱、頭痛、首の硬直、顔面痛、しびれ、筋力低下、聴力低下などが現れます。多くの場合、外科手術により腫瘍は完全に除去でき、予後は良好です(ニューヨーク・プレスビテリアン病院)。
シリンジ症(脊髄シリンジ症)とは?
脳脊髄液(CSF)は通常、脊髄や脳の表面を流れ、栄養や老廃物の運搬、衝撃吸収の役割を担います。CSFが脊髄内部に流入すると、液体で満たされた嚢(シリンックス)が形成され、これを脊髄シリンジ症と呼びます。シリンックスは時間とともに拡大し、脊髄中心部を破壊することがあります。
原因
最も一般的な原因は、Chiari I奇形と呼ばれる先天性の脳形態異常です。この奇形では小脳の下部が頸部の脊髄管に突出し、CSFの正常な流れを妨げます。
その他の原因としては、くも膜炎(くも膜の炎症)、脊髄周囲出血、脊髄髄膜炎、外傷や脊髄腫瘍などがあります。
症状と治療
症状が出ないこともありますが、進行すると背部・肩・腕・脚の痛み、脱力、こわばりが生じます。さらに、排尿・排便障害、顔面痛・しびれ、疼痛・温度感覚の低下、脚の痙攣なども見られます。
無症状の場合は経過観察が主ですが、症状が出ている場合はシリンックスが脊髄に与える圧迫を除去し、CSFの正常流れを回復させる手術が一般的です。
