希少疾患とFDA:孤児医薬品法の概要と課題

孤児疾患とは?

孤児疾患(希少疾患)とは、米国で20万人未満しか罹患しない病気を指します。例として筋萎縮性側索硬化症(ALS)、トゥレット症候群、巨人症(先端巨大症)などがあります。多くは遺伝的異常が原因で、患者は正確な診断を受けにくいことが特徴です。

孤児医薬品法(Orphan Drug Act)

1983年に米国議会で制定された孤児医薬品法は、希少疾患の治療薬開発を促進するために、企業へ財政的インセンティブを提供します。具体的には、臨床試験に対する助成金やヒト臨床試験費用の最大50%の補填、さらに新薬に対して7年間の独占販売権が付与されます。

孤児医薬品法の効果

法施行以前の10年間でFDAが承認した新薬はわずか10件でしたが、1983年以降は250件以上の孤児医薬品が承認され、希少疾患患者の治療選択肢が大幅に拡がりました。

助成金プログラム

FDAの孤児医薬品開発室(Office of Orphan Products Development、OOPD)が助成金申請を審査し、約1,420万ドル(約142億円)の予算を管理しています。また、OOPDは開発中の孤児医薬品情報を収集し、患者へ臨床試験や新薬情報を提供しています。

孤児医薬品法の課題

独占販売権が7年間付与されるため、価格競争が抑制され、薬価が高騰するリスクがあります。たとえば、孤児薬アルグルシレーズは年間30万ドル(約3,300万円)に達することもあります。価格抑制の仕組みがないため、患者はジェネリック医薬品を入手できず、負担が大きくなります。

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