結核の治療と予防のポイント
結核はかつて「消耗病」と呼ばれた重篤な感染症で、主に肺を侵しますが、全身へ広がり死亡に至ることもあります。アフリカやアジアの一部では依然として深刻な問題ですが、適切な薬物療法で十分に治療可能です。以下では、症状・治療法・予防策を分かりやすく解説します。
症状
- 潜伏結核:体内に菌が残っていても感染力はなく、症状は出ません。
- 活動性結核:体重減少、倦怠感、夜間の発汗、発熱・悪寒、食欲不振などの全身症状が現れます。主に肺が侵され、3週間以上続く咳、胸痛、咳嗽時の痛み、血痰(血が混じった咳)などが特徴です。これらの症状がある場合は、速やかに医師の診察を受けてください。
治療
- 潜伏結核:医師はイソニアジド(INH)を1日1回または2回、9か月間服用するレジメンを処方します。これにより活動性結核への進行を防ぎます。
- 活動性結核:リファンピン、イソニアジド、エタンブトール、ピラジナミドの4剤併用が基本です。治療期間は9か月で、経過に応じて薬剤の減量や除去が行われます。治療後半の4か月間は、残存薬剤にリファパンチンを追加することがあります。
- 薬剤耐性結核:耐性菌が確認された場合は、2年以上にわたる長期療法が必要で、治療成績は厳しいことが多いです。
- HIV感染者や妊婦:リファンピンはHIV薬と相互作用するため、治療中はHIV薬の中止が求められます。妊娠中の治療は慎重に薬剤を選択します。
- いずれの場合も、処方された全期間を完遂することが極めて重要です。途中で中止すると薬剤耐性が生じ、重篤な合併症や死亡リスクが高まります。
予防
- 免疫力を高める:適度な運動と、野菜・果物を豊富に含むバランスの良い食事を心がけましょう。
- 高リスク地域に住む場合:定期的な結核検査を受け、感染が疑われたら早期に治療を開始できる体制を整えておくことが大切です。
- 感染者との接触防止:治療中は医師の指示があるまで他人との密接な接触を避け、部屋の換気を十分に行い、咳やくしゃみの際はマスクやティッシュで口を覆いましょう。
